KT-100・200形
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 1989年のJR湯前線転換に際して製造された車両である。新潟鐵工所にて製造された第3セクター鉄道向けの「NDC」シリーズの一つであり、全長は16.3mとなっている。当初よりワンマン運転に対応し、側扉はバスのものと同じ折り戸が採用され、前面にやや傾斜がつき貫通扉が取り付けられている点等は松浦鉄道のMR-100形と類似しているが、こちらは貫通扉上部にも前照灯を取り付けている点が特徴となっている。KT-100形が4両、KT-200形が3両製造されたが、前者がトイレなしセミクロスシート車であるのに対し後者はトイレ付きオールロングシート車となっている(KT-201号車のみイベント対応車としてモニタ装置が別に取り付けられている)。いずれも走行機器面では変わりはなく、出力250PSのエンジンを搭載している。尚、乗車定員はトイレがない分KT-100形の方が多くなっている。KT-100形・KT-200形のいずれもくま川鉄道開業時より両数の変化なく推移したが、2009年にKT-100形・KT-200形のうち1両が水戸岡鋭治氏の手によって大掛かりなリニューアルが施されて観光列車化され、「KUMA」という愛称が付けられている。車両の老朽化が進んでいることから2014年以降、水戸岡鋭治氏プロデュースの新型車両KT-500形「田園シンフォニー」を導入して順次同形式を置き換えていくことになり、2014年末までに「KUMA」以外の全車が運用を離脱した。これにより、くま川鉄道の在籍車は全て水戸岡鋭治氏のプロデュースした車両で占められることとなった。残る「KUMA」も2016年6月に営業運転を離脱しており、これを以て開業時からの車両は全て引退した。

 2013,03,16 人吉温泉


■Variation
 ロングシートで車内にトイレを有すKT-200形。湯前方にトイレが設置されており、窓配置がKT-100形と異なっている。トイレのある部分は窓がなく、その部分にはイラストが描かれている。尚、KT-201号車はイベント対応車となっており、同車のみ虹をあしらった独自塗装となっている。

 2013,03,16 あさぎり
 2009年に大掛かりなリニューアルが施され、観光列車として新たに生まれ変わったKT-103号車・KT-203号車。「ミュージアムトレイン」というコンセプトに基づいており、「KUMA1」「KUMA2」という愛称が付けられている。外装はモスグリーンに金色の帯が配されたものとなり、周囲にロゴマークなどが描かれている。車内は木材を多用した内装へと大幅に変更されているが、車両によってコンセプトが異なっており、ロングシートのKT-203号車(KUMA1)は沿線の自然をテーマに、本棚や植物標本を車内に配している。セミクロスシートのKT-103号車(KUMA2)は、仏教文化などの沿線の特色をイメージしている。この2両は基本的に1組で運用されており(単独で運用される場合もある)、土休日中心の限定運用が組まれている。

 2013,03,16 多良木