700形
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 700形は元々山口県下関市の山陽電気軌道で使用されていた車両を、1971年の路線廃止を機に譲受したものである。1958年にナニワ工機で製造された全長12m級の半鋼製車両であり、前後扉を採用している点は土佐電200形と同様であるが、こちらは扉が2枚折り戸となっている他、車体・台車とも軽量化が図られており、実際に土佐電200形と比較すると1t以上も自重が軽減されている。また山陽電気軌道時代より前面中央窓と側窓上部にはHゴムが、側面下段窓にはアルミサッシが採用される等、半鋼製車両ではあるが近代的な外観を特徴とした。700形は4両が製造されたうち、3両が土佐電気鉄道に譲渡されている。山陽時代にワンマン化改造を受けており、後年に集電装置もビューゲルからZパンタグラフへと換装されていたことから、特段大きな変化もなく導入されているが、それまで白熱灯であった室内灯が蛍光灯に換装されている。また、元の703号車が譲渡されなかったことから704号車が703号車に改番されており、全車とも通し番号とされた。尚、制御方式が直接制御方式であったことから譲渡当時行われていた安芸線(鉄道線)への乗り入れは行われず、あわせて連結運転にも対応していない。冷房化は600形が完全冷房化された1997年以降に行われており、比較的遅い冷房化となった。現在は更に行き先表示器のLED化等を経つつ3両とも現役であり、800形と共に主力車両の一翼として活躍を続けている。形態としては山陽時代から殆ど変っておらず、その面影を残す存在として貴重な車両であると言える。尚、土佐電気鉄道は2014年10月から高知県交通・土佐電ドリームサービスと合併して新会社「とさでん交通」となっており、同車も新会社の所属となっている。

 2013,12,30 文殊通


■Variation
 高知市内のパチンコ会社が経営する男性用サウナの全面広告を纏う703号車。「ランちゃん」という萌えキャラが多数描かれており、「痛車」ならぬ「痛電」の様相を呈している。尚、この車両は正面右側の前面窓がHゴムで固定されていない。

 2013,12,31 はりまや橋