100形
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 2002年登場。老朽化の進んだかつての高性能車500形の置き換えと、更なるサービス向上を目的に当時のアルナ工機で製造された車両であり、公募により「ハートラム」の愛称がついている。同車の導入には国・県及び沿線自治体の補助を受けており、久方ぶりの完全新製車両となった。アルナ工機が中心となって開発した超低床車両である「リトルダンサー」の一つであり、中でも3車体3台車型、全長17.5m級の大型連接車である「タイプL」と呼ばれるグループに属する。前面は流線型となっており、前面窓は大型の一枚窓となっている。行き先表示は方向幕が採用されているが、現在のところ方向幕を採用した車両は同車が最後となっている。床面の高さは両端が350mm、中間車は480mmと差があるが、ゆるやかなスロープ状となっており、また両端の台車の位置が運転台下にきていることもあり、実質フラットな車内となっている。車内は中間車がクロスシート、両端車がロングシートになっており、中間車には車いすスペースも備えておりバリアフリーにも対応している。完全新製の超低床車であるため、駆動方式はカルダン駆動方式、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式である。とりわけ後者は回生制動を含めて土佐電気鉄道では初めての採用であり、またカルダン駆動方式の車両も現在は同車が唯一となっている。100形は2002年4月より営業運転を開始したが、車両製造費用が高いことから現在に至るまで一編成のみの存在となっている。因みに従来車に比べて車長がはるかに長いこともあり、当初は車掌が乗務していたが、現在は他車同様のワンマン運転が行われる。また塗装は当初白とエメラルドを基調としたものであったが、現在は沿線(高知橋電停近く)にある近森病院のラッピングが施されている。唯一の超低床車両である100形は土佐電気鉄道のフラッグシップたる存在だが、それ故に限定運用が組まれており、基本的に鏡川橋〜領石通間を中心に使用されて、わずかながら桟橋車庫前や後免町まで乗り入れる運用もある。かつては伊野までも乗り入れていたが現在は乗り入れておらず、また高知駅前も当初入線に対応していなかったことから、現在も定期運用で乗り入れることはない。尚、土佐電気鉄道は2014年10月から高知県交通・土佐電ドリームサービスと合併して新会社「とさでん交通」となっており、同車も新会社の所属となっている。

 2013,12,30 鏡川橋


■Variation
 とさでん交通移管後の100形。ラッピングは解除され、オリジナルの塗装に戻っているが、前面の愛称表示はなくなっている。なお、後免町への乗り入れは近年まで1日1往復だったが、3000形導入後は平日4往復、土休日3往復と増加している。

 2018,11,23 はりまや橋