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貨1形は1952年に自社工場にて製造された両運転台構造の電動貨車である。戦前の木造電動貨車の台枠を一部流用のうえ車体を新造しており、手持ちであったブリル21E台車を搭載した2軸単車である。車体は有蓋車と無蓋車を折衷したような形状で、側面は屋根こそあるが木製のあおり戸が備えられている。2軸車であることもあり、車長は全長約6.7mと小型で、更に車幅も2mに満たないことから、非常に細身な印象を受ける。乗務員室の照明、荷台にある作業灯のいずれも、白熱灯が採用されており、現在に至るまで堅持している。基本的には車庫内に留置されており本線走行をする機会は少ないが、現在もなお工事列車として充当されることがある他、よさこい祭りや電車の日などのイベントに際しては、花電車として装飾され本線走行を行うことがある。台車については1904年の路線開業時から存在するという由緒正しいものであり、120年以上経過した現在であっても走行可能に整備されており、その点でも非常に貴重な存在である。また集電装置は現在に至るまでビューゲルを堅持しているが、とさでん交通のみならず全国的に見てもビューゲルを用いた車両の現存はわずかで、その点でも貴重な存在と言える。
2025,10,04 桟橋車庫 |