1370形
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 1990年代の粟生線では、基本3連に増結2両を足した5両編成の列車が朝夕を中心に走っていた(2009年3月まで存在)。1990年代半ばでは1000形や1050形といった初期高性能車が増結車両として充当されていたが、いずれも車齢による老朽化に加え非冷房車であり冷房化の進んでいた基本3連とはサービス格差が生じていた。折しも進んでいた5000系の増備に合わせ、既存の1350形4連を2連に短縮するとともに、冷房付き中間電動車であった1320形に運転台を取り付け、新たに2連を組成して非冷房車の置き換えに充てることとなった。この際、1320形の先頭車化改造により成立した形式が1370形であり、1996年から翌年にかけて、3ユニット6両(1320形全車)が改造された。元々1320形は、2連を組んでいた1300形・1350形の4両編成化を図る目的で1975年から1979年にかけて製造された車両で、前述のとおり全て中間電動車となっていた。前年に製造された1070形に合わせ、両開き3扉車として製造されており、1300形に組み込まれた際は車両により扉数が異なっていたが、車両性能上は1300形と同一となっていた。1976年までに製造された4両は当初非冷房で1991年に冷房化がなされているが、1979年に製造された2両は当初より1350形への増結を前提としたため当初より冷房を搭載し、車内もマホガニー調にまとめられている(その他の車両は緑系の内装となっている)。先頭車化改造にあたっては当時廃車の進んでいた1050形と1300形から流用されている。いずれも前面はほぼ同一であり、実質的な仕様は1350形に合わせられたといえる。改造からしばらくは前述のとおり粟生線の増結運用に用いられ、冷房車の導入に伴うサービス向上に寄与したが、5連運用の縮小・廃止に際しては2本繋げた4両編成を組成することとなり、1350形と連結した2両及び1370形同士連結された4両に分かれた。本線用ワンマン運転にも対応し、主力車両の一つとして使用されてきたが、4連運用の縮小に伴い2015年3月に1350形と組んでいた2両が廃車されており、現在は1370形同士で組成された4両が残存する。

 2014,09,15 有馬口
2016/09/22