 |
1A系は、経年の進んだ在来車両の置き換えを目的に、8A系に次いで導入された一般形車両である。本形式は8A系とは異なり、大阪線・名古屋線系統への配置を前提としている。車体形状は8A系とほぼ同一であるが、外装はそれまでの近鉄一般車とは異なり、伊勢・志摩方面に向かう路線の車両であることを踏まえ「進化の青」と称されるブルーとシルキーホワイトの2色塗装となっている。制御方式はハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御で、車両性能も8A系に準じるが、こちらは最大33.3‰の連続急勾配を有する青山峠等の通過を考慮し、抑速回生ブレーキの失効時に抑速発電ブレーキに瞬時に切り替えられる機構を有する。そのため、電動車には発電ブレーキ用の抵抗器を搭載している他、併せて連続急勾配区間の安定走行を目的に付随台車にディスクブレーキを搭載しており、それらの点は8A系と異なる。また、一部の車両については更に増粘着剤噴射装置やレール塗油器が追設されている。車内は車端部がロングシート、扉間がロングシートと回転クロスシートの可変座席であるデュアルシートであり、所謂「L/Cカー」と称される車両の一つである。8A系と同様、扉間を1区画としてその区画ごとにロング、クロスの切り替えが可能であり、1両の中でロングシートとクロスシートを混在させることが可能となっている。8A系に続いて中央扉付近に大型1人用座席「やさしば」が1車両あたり2か所設けられている。8A系と同様、扉鴨居部の液晶表示器は42インチサイズの大型のものが千鳥配置されている他、扉鴨居部には防犯カメラも備えている。それまでの8A系になかった設備として車椅子対応の大型トイレ(編成中1か所設置)があるが、オストメイト対応かつ折り畳み式のベビーベッドを備え、更に便座がウォシュレットとなっている等、それまでの一般型車両のトイレとは一線を画す設備を有している。この1A系は2025年から製造が開始され、2026年1月から営業運転を開始している。2025年度は4連5本が製造されているが、うち3本が名古屋線系統、2本が大阪線系統で用いられている。特に名古屋線は「シリーズ21」の導入がなかったことから、1998年の5800系の導入以来となる新型一般形車両となり、実に28年ぶりのことであった。なお、2026年度以降は本形式をベースとしつつも3連を組みトイレが省略された「1B系」が製造される予定となっている。
2026,06,30 近鉄四日市 |