1230系列
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 1989年に登場した通勤型車両。アルミ製のVVVFインバーター制御方式車両としては1987年に1220系が製造され営業運転に投入されていたが、本形式はその増備車両と言う位置づけとなっている。最初に投入された1230系は元々1220系の増備分として計画されていたものが、台車が変更になったことで形式分けされた車両であり1220系と大差はない。これに対し1990年に製造された1233系以降は、投入線区を問わないよう、標準軌用の線区ではどこでも使用できるように標準車体を設定してそれを採用した点が特徴となっている。ただし基本的なデザインには変更はない。1233系では更に台車の改良がなされている。更に仕様変更がなされた1249系はSIVの変更と車内への車椅子スペースの設置がなされ、バリアフリーにも対応した車両となった。更にディスクブレーキの仕様を変更した1254系、ボルスタレス台車へと変更した1252系・1253系(これら2形式は路面清掃装置の有無が異なる)も順次製造され、本系列は1998年までに2連46本の92両が製造された後、1020系より2両が編入された為総勢94両となり、2両編成を組む車両の中では大所帯となった。各線区とも旧型車の置き換えを目的に本形式を投入しており、標準軌であればほぼ全ての線区で見る事のできる車両となっている。また奈良線に在籍している1252系・1253系の一部は阪神電鉄への直通運転に対応しており、東は愛知県から西は兵庫県まで、実に広範で活躍している稀有な車両となっている。現在ではこの他モケットの交換や車椅子スペースの完備、車内案内表示器や転落防止用幌の設置等後天的な改造も進んでいる他、2023年からは線区を問わず大規模な更新工事(A更新)の施工が開始されており、施工車は見た目、内装が大きく変わっている。これら変遷を経つつ、1230系列は近鉄の主力車両として今後も活躍が見込まれる。

 2008,08,06 鶴 橋


■Variation
 1989年、最初に製造された1230系。車体は1220系と同一寸法である。1230系は2本の陣容で、いずれも名古屋線〜志摩線を主体に使用されている。

 2018,10,26 宇治山田
 1993年に製造された1249系。1233系をベースとしているが、補助電源装置がSIVになっているという差異がある。

 2024,10,19 大和八木
 ボルスタレス台車を採用している1252系。奈良線に在籍している車両に関しては路面清掃装置が搭載されていないため、従来通りの1252系と言う形式が付けられている。現在は大半の編成が阪神電鉄への直通対応化改造がなされている。

 2008,08,06 鶴 橋
 阪神電鉄への乗り入れに対応した1252系。御多分に漏れず直通対応を表すステッカーが貼り付けられており、兵庫県は三宮でもその姿を見る事ができるようになった。2012年現在は7本に直通対応化改造が施行されている。

 2009,03,15 今 里
 A更新工事が施された1233系。1220系以降のVVVFインバーター制御車両は殆ど更新工事が施工されることなく推移してきたが、新型車両8A系の導入を前にした2023年以降A更新工事が施されることとなった。この更新を受けた車両は灯具類の配置が変更され、従来前照灯であった部分が尾灯兼標識灯、標識灯・尾灯であった部分が前照灯となり、いずれもLED灯となった。また行き先表示器はフルカラーLED化されている他、前面にも転落防止幌が追設されている。内装も大きく変わり、特に日本最大級となる42インチハーフサイズの液晶表示器が設置されたことは特筆事項と言える(当初ついていなかった編成も現在は全て搭載されている)。近鉄の通勤型車両は、今後新型車両の投入と既存車両の大規模更新により更なるサービス向上が図られていく。

 2024,07,31 近鉄四日市
2024/10/27