デト17・18形
トップページ鉄道写真図鑑京急電鉄>デト17・18形
 デト17・18形は、レール運搬用の電動貨車であったデチ15・16形を救援資材運搬用の電動貨車に改造したもので、2003年に登場した。同車の元となったデチ15・16形は、デワ40形及びチ60形を置き換え、事業用車の高性能化を図るために1988年に1000形の廃車発生品を流用して台枠より上を新造したもので、国鉄やJRの配給車両に見られるような、車両の片側に乗務員室・有蓋室が設けられ、それ以外の部分は無蓋の荷台いうスタイルとなっている。乗務員室・有蓋室の部分は黄色地に赤帯が巻かれ、一般車両とは塗装が区別されている。なお、連結器には電気連結器も備えており、一般車両との併結運転も可能となっていた。当時は前述のとおりレール運搬に用いられたことから、長物車チ60形に搭載されていたホイストクレーンが荷台上に搭載された。デチ15・16形当時は1000形の廃車発生品を流用していたことから、制御方式は抵抗制御方式、制動はHSC-D電磁直通ブレーキであった。2連2本の4両の陣容となり、それぞれ新町検車区、久里浜検車区に配置された。この体制でしばらく推移したものの、レール運搬には無車籍の機械を用いるようになり、デチ15・16形については稼働率が低下した。これにより、デチ17・18号車が2003年、デチ15・16号車が2006年に改造のうえ、現形式に改められている(最初の改造車両により現形式名となったが、結果的にデト15・16号車はデフレナンバーとなっている)。現形式への改造に際しては、ホイストクレーンの撤去とあおり戸及び救援資材用コンテナが新設された。また改造当初は前面に「救援車」という表記が追加されていた。2010年になると1000形が全廃となることから、機器更新を含めた車体更新が施されることになり、併せて運番表示器の新設や前照灯の換装、集電装置のシングルアームパンタグラフ化、「救援車」表記の撤去等が行われ印象が変わった。この機器更新では、1500形のVVVFインバーター制御化の際に余剰となった走行機器類を流用したため、制御方式が界磁チョッパ制御方式に改められ、併せて制動方式の電気指令化、主幹制御器の右手ワンハンドルマスコンハンドル化がなされている。これにより、1500形以降の車両と併結が可能となり、例は少ないが実際に併結した実績もある。改造後も引き続き新町検車区と久里浜車両管理区に1編成ずつ配置され、通常は車庫内にて待機している。

 2014,05,25 京急ファインテック久里浜事業所


■Variation
 デト17-18号車は新町検車区に常駐している。改造は2003年とこちらの方が早い。

 2014,05,25 新町検車区