9000系
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 1997年登場。一部停車駅が増加した特急の輸送力確保、着席サービスの向上等を目的に製造された車両である。既に製造されていた7200系に準じたデザインであり、同じく18m3扉車であるが、7200系とは扉位置が若干異なっている。登場当初の塗装は一般車で採用されていた濃淡グリーンを基調とするが、後述のとおり内装面等でも他の一般車と差異があることから、識別のためにパステルブルーの帯が配されており外観上の特徴となっていた。制御方式はGTO-VVVFインバーター制御方式で、基本的には7200系に準じている。元々特急運用を考慮していたことから、当初の車内はセミクロスシートなっていた。乗務員室背後と扉付近がロングシートである他はクロスシートだが、8000系等と異なり固定クロスシートであり、所謂「集団離反型」の座席配置であった。ロングシートとクロスシート部分の境目は半透明のパーテーションで仕切られ、目線があわないよう配慮されていた。この他、扉付近の補助椅子や中間扉を締め切るドアカット機構、7200系でも採用されていたパワーウィンドウやマップ式・LED式併用の車内案内表示器も導入されている。9000系は1997年中に8連5本が製造され、同年3月のダイヤ改正でラッシュ時の大阪行き特急が枚方市に停車することを受け、同列車を中心に充当された。8000系とは異なり3扉であるため、特急運用以外にも8連優等運用を中心に幅広い運用に用いられたが、特急用車両という観点では8000系に見劣りすることもあり、2008年の新3000系導入を契機にオールロングシート化が施されることとなった(先行して2002年に4両のみロングシート化)。併せてドアカット機構やパワーウィンドウ、マップ式車内案内表示器は廃されている。なお、本形式の新塗装化はロングシート化改造と同時に施工されており、全車新塗装となった時点で全車ともオールロングシートとなった。因みに余剰となったクロスシートの一部は後に伊賀鉄道200系に転用された、ロングシート化以降は6000系や7200系と共通の運用に用いられていたが、2015年以降は5本中4本で中間車1両が外され7連となり、7連となった編成は普通及び準急運用を中心に充当されることになった。なお、7連化に際し余剰となった車両は10000系に編入されており、同系列の7連化に充てられている。

 2018,02,11 土 居


■Variation
 セミクロスシート時代の9000系。濃淡グリーンを基調とし、既存車両との識別のためにパステルブルーの帯が入っていた。本系列の新塗装化はオールロングシート化と同時に進捗しており、2008年から翌年にかけて集中的に実施された。

 2008,08,05 野 江
2020/08/22