800系
トップページ鉄道写真図鑑京阪電鉄>800系
 1997年、京津線が地下鉄東西線へ直通運転を開始するのに合わせ、同線への直通対応車両として製造された。当時本線で製造されていた9000系に準じた車体ではあるものの、61‰に及ぶ急勾配や大津市内の併用軌道を有する京津線と自動運転を行う地下鉄という異なる条件の2線を走行するため、京阪初のシングルアームパンタグラフの採用を始め薄型冷房装置の設置や急勾配・併用軌道走行時の対策用に鋳鉄製ブレーキを採用する等それまでの車両には見られなかった各種工夫がこらされている。また東西線内でのATOによる自動運転にも対応しており、車両の造りもホームドアに合わせたものとなっている。尚、制御装置には京阪で初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている。これら特殊設計や保安装置の取り付けに伴い、1両あたりの製造費は日本でも最も高額の部類に入る。車内は本線の7200系と9000系に準じたものとなっており、先頭車はロングシートと固定クロスシートを配したセミクロスシート、中間車はロングシートとなっており、通勤だけでなく観光輸送にも配慮した設計となっている。また、京津線の車両として初めて車内案内表示器・自動放送装置が設けられている。1997年10月の直通運転開始までに4連8本が製造され、同車の竣工により80形・260形・300形といった在来車は一掃されて京津線は原則として本形式のみの運用となった。当初は浜大津〜京都市役所前間で使用されていたが、2008年の東西線延伸にあわせて直通区間が太秦天神川までに拡大されている。

 2008,03,08 上栄町〜浜大津


■Variation
 京阪グループCI導入後の800系。2008年の中之島線開業に際し、新たに制定されたCIが既存のKマークを置き換えている。

 2017,09,24 上栄町〜浜大津
 京津線の車両として先陣をきって新塗装化された815編成。併せて行き先表示器の横に路線識別マークが貼り付けられた。大津線の車両は、2017年以降2021年までに在籍している全編成の塗装が変更される予定となっている。

 2017,09,24 上栄町〜浜大津