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1977年登場。架線電圧の昇圧に対応すべく、1967年以降に製造された車体更新車700系の車体を流用し、通勤型車両では当時最新の5000系とほぼ同等の機器類を搭載した車両である。700系は流線形の車体が特徴的だった1000系列(当時)やびわこ号として使用された60形で発生した走行機器・台車を流用しつつ、18.7m3扉の全鋼製車体を台枠より新造した車両で、普通列車の輸送力向上に寄与した車両の一つである。それまでの機器流用車600系に比べて車体強度が向上したこともあり、1000系への改造と同時に方向幕取付だけでなく冷房装置の取付もなされている。1000系は1978年までに7連6本が竣工し、その時点で700系としては形式消滅している。この時点では車体は前述の方向幕・冷房装置取付以外は700系時代の面影をよく残しており、制御方式は抵抗制御方式、制動は発電ブレーキとなっていた。1991年以降更新工事が行われ、6000系に準じた内装となりバリアフリー対策に車椅子スペースが設けられた他、前面のライト交換や貫通扉の交換等がなされ、より近代的な外観となった。更に制御方式が界磁添加励磁制御となり、それに伴い回生制動も備えた。同じく機器流用車の高性能化によって登場した1800系(元機器流用車600系)が車体強度の問題から冷房化されずに早期廃車されたことと対照的に、1000系はその車体の製造から40年以上経過しているにも関わらず現在も1両も廃車される事なく、普通運用を中心に主力車両の一翼として活躍している。
2008,03,08 大和田 |