モニ1形
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 モニ1形は、それまで使用されていた有蓋電動貨車ユ1形の置き換えを目的に、1975年に東横車輌電設(現在の東急テクノシステム)で製造された電動貨車である。台枠の両端に運転台を備えた無蓋電動貨車のスタイルだが、抵抗器を搭載するため屋根がかけられており、屋根下の部分に資材運搬に用いるホイストクレーンや作業灯が取り付けられている。登場時の塗装は灰色を基調としたもので、前面下部は警戒塗装のゼブラ模様となっていた。台車・走行機器類はモハ3形114号車の機器更新で余剰となったものが流用されており、登場時より長らくの間抵抗制御方式・釣り掛け駆動方式となっていた。製造から20余年が経過した1997年には最初の機器更新が行われているが、その際にはモハ3形114形の廃車による発生品が流用された。このようにモニ1形は同じ車両から二度も機器の流用を受けており、その点でも非常に珍しい車両といえる。なお、機器更新に先んじて1990年代初頭には前照灯が2灯化されている(それまでは1灯配置)。2009年には塗装変更によりオレンジを基調に前面下部にゼブラ模様を入れた塗装(側面にはイノシシのイラストが入った)に改められ、同時にホイストクレーンが1基追設され、4基搭載となった。更に2017年にはモハ2形110号車の発生品を流用することでカルダン駆動化されており、併せてスノープラウが取り付けられて現在に至っている。登場時から一貫して工事ないし資材運搬に用いられており、運用のないときは基本的に強羅駅構内に留置されている。

 2014,01,26 強 羅


■Variation
 高性能化改造後のモニ1号車。スタイルや塗装はそのままながら、前照灯や尾灯がLED化され、集電装置がシングルアームパンタグラフとなるなど、旅客車と同様の形態変化が生じている。

 2023,02,23 強 羅
2023/03/10