7500形
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 2017年登場。600形以前の旧型車両の更なる置き換え及び低床車の増強を目的に製造された、鹿児島市交通局では7000形以来10年振りの新型低床車両であり「ユートラムV」の愛称を持つ。先代の低床車両同様アルナ車両で製造され、同社が手掛ける低床車両「リトルダンサー」の一車両であるが、同形式は初の導入となる「タイプX」と呼ばれる2車体2台車連接構造のモデルが採用された。その開発に5年を費やしたこのタイプでは、駆動方式はWN継手を用いた平行カルダン駆動方式となっており、主電動機は台車に装荷されるが、この主電動機は既存車に比べて大幅に小型化されたものが採用された。台車そのものも新開発の小型台車となり、主電動機の取り付け位置も下げられている。これらの機構により、軸付き車輪台車を採用した車両としては国内で初めて運転台部分も含めた完全低床化を実現し、完全低床車では初のオールロングシート化もなされている。また乗務員スペースのコンパクト化も図られたことで、1000形と全長はほぼ同じながら、1000形に比べ10名もの定員増となった。前面はブラックフェイスとなり精悍な印象となっているが、側面は1000形より続く黄色と、緑化軌道をイメージした黄緑のツートンカラーとなり、明るい配色となっている。行き先表示器には鹿児島市交通局で初めてフルカラーLEDが採用され、系統番号も幕車同様色分けで表示が可能となった。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、制御装置と補助電源装置は一体化されて屋根上に設置されている。同車では電動バネブレーキは採用されず、制動方式は電気指令式の電空併用ブレーキとなり、側扉の開閉も空気式となったため、屋根上にはコンプレッサーも設置されている。車内は前述のとおりオールロングシートで、外観とは対照的にカラースキームは黒と白を基調とし、袖仕切りや優先席モケット、連接部等の青色がアクセントとなっている。車内案内表示器は初めて液晶表示器が採用されたほか、車内照明は全てLED化された。7500形は2017年2月に落成し、翌3月より営業運転を開始した。既存の技術の応用で完全低床化を実現した同車はその新しい方向性が評価され、2018年には1000形に次いでローレル賞を受賞した。当初は2編成の陣容だったが、2019年には一部マイナーチェンジが施された2編成が導入され、現在は4編成の在籍となっている。

 2018,11,25 鹿児島駅前


2020/02/27