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1926年登場。琴電の前身である琴平電鉄の開通にあたり日本車輌で製造された自社発注車であり、1000形と共に四国では初めてとなる高速用電車である。1000形共々当時としては珍しい半鋼製車体であり、当時は戸袋窓に丸窓を採用する等基本的な窓の配置は同じであった。ただし1000形はノーヘッダーであったがこちらはウインドヘッダーが取り付けられており、また側窓がこちらは完全に角型であるなど外見は異なっていた。3000形と言う車号ではあるが、トップナンバーが300号車、次に製造された車両が315号車となり、以降325・335…と続く独特な車番の付け方であった。345号車までの5両が製造された。1966年からは車体更新が施され、戸袋窓の交換や通風器の換装等がなされた他、315号車の運転台拡張がなされているが1000形と異なり大きなスタイルの変更はない。この後も貫通扉の交換や窓枠のアルミサッシ化、ヘッドライトのシールドビーム化、345号車以外の車内塗装化などの後天的改造がなされている(尚、345号車のみ廃車時までニス塗りであった)。また、台車はオリジナルのものから阪神電鉄の廃車発生品に交換されている。当初は琴平線、後に志度線と長尾線に転じて使用され、車齢70年を超えながら近年まで全車健在という稀有な車両であり1988年にはエバーグリーン賞を受賞している。しかし冷房車の増加から1999年より廃車が始まり、2007年までに全ての定期運用を終了した。現在はトップナンバーの300号車のみ残され、動態保存されている。また志度線に在籍していた335号車は静態保存された。300号車は動態保存期間を含めると製造から95年近く経過する貴重な車両だが、維持管理上の問題などもあり、2021年のゴールデンウィークを以て現役を退くことが決定している。この予定は後に変更され、2021年11月のラストランを以て本線運用から撤退している。ただし他の車両とは異なり、撮影用等として残されることが予定されており、現在も可動状態を維持して仏生山検車区に留め置かれている。
2005,08,07 高松築港★ |