1000形
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 1926年登場。琴電の前身である琴平電鉄の開通にあたり汽車会社で製造された自社発注車であり、3000形と共に四国では初めてとなる高速用電車である。1000形という形式であるが、その10分の1の車号をトップナンバーとし、2両目が110号車、3両目が120号車…と10ずつ増える独自の車号の付け方となっており、140号車までの5両が製造された。車体はウインドシルは付けられていたもののノーヘッダーであり、製造当初には窓の上にRがあった点が3000形とは異なる。また電装品はアルゲマイネ製のものが装備されている。1966年からは車体更新が施行され、お椀型であったベンチレーターの換装、トラス棒の撤去、パンタグラフの移設や戸袋窓の角型への変更、側窓のアルミサッシ化等が行われ、現在に至るスタイルへと変更されている。1976年に正面衝突事故が発生して110号車・140号車が廃車され、以降3両が長らくの間在籍していた。600形の竣工に伴い1998年以降老朽廃車が発生し、現在は120号車1両のみが在籍している。現在は他の旧型車両に混じり動態保存がなされている。尚、1988年にエバーグリーン賞を受賞し、2009年には近代化産業遺産に指定されている。動態保存期間を含めると製造から95年近く経過する貴重な車両だが、維持管理上の問題などもあり、2021年のゴールデンウィークを以て現役を退くことが決定している。この予定は後に変更され、2021年11月のラストランを以て本線運用から撤退している。以降の処遇は未定とされていたが、2023年の時点では3000形と同じく可動状態を維持しながら仏生山検車区に留め置かれている。

 2005,08,07 片原町★


■Variation
 定期運用から離脱し、動態保存車となって以降の120号車。定期運用の末期に茶色とクリームのツートンカラーに塗り替えられており、現在に至るまでその塗装を堅持している。尚、同車に限らず、近年まで在籍していた旧型車両は定期運転の際に使用していたサボ受けが撤去されている。

 2013,12,29 仏生山
2023/03/01