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ワキ5000形は、高度経済成長期における貨物の大量輸送に即応するため1965年にに導入された30t積の有蓋ボギー車である。同時期に最高時速100km/hでの高速運転に対応し、パレット荷役に対応した初のボギー貨車であるワキ10000形の試作車が製造されていたが、本形式はそのワキ10000形の車体とコキ5000形の走り装置を組み合わせ、最高時速85km/hの貨車として製造されている。車体はプレス加工鋼板を用い、さながらワム80000形を拡大したような形状となっている。側面は4枚の引き戸で構成された総開き構造となっており、車内は仕切り棒により扉ごとに仕切られ、縦1100㎜、横1100㎜のT11型パレット（現在まで標準規格とされているパレット）を最大24枚分搭載することができる。仕切り棒は着脱式で、長尺物などパレットや紙以外の貨物輸送にも対応している。車体色はワム80000形と同じくとび色2号が採用された。ワキ5000形は1969年までに1515両が製造されたが、増備の途中で屋根形状が変化し（初期車：丸屋根、後期車：プレス加工鋼板を用いた角屋根）、搭載する台車も変更が生じる等の変化が生じている。登場時は同じ最高時速85km/hの貨車と組んで特急貨物列車に用いられたが、後年は小口輸送を中心に充当された。特筆すべきは鈴鹿・浜松から行われていたオートバイの輸送で、中にはオートバイ輸送に特化し車内を2段積みに改造してワキ7000形と改番された車両も存在する（一部は後に復元の後本形式に復帰）。多用途に使用された貨車であり、貨物列車が縮小傾向となる中でも纏まった両数が昭和末期の時点でも生き残り、国鉄分割民営化に際してはJR貨物に1299両、JR北海道に1両、JR西日本に2両が継承された。JR貨物では主に紙の輸送に用いられたが、貨物輸送の減少とワム80000形やコンテナ車への置き換え等により徐々にその姿を消し、2002年に全廃となった。旅客会社継承車両は救援車とされ、車内に救援機材を備え車両基地で待機していた。最後まで残存したのはJR北海道のワキ5233号車で、函館運輸区に常駐していたが2018年に廃車となり、これにより本形式は姿を消した。 2016,01,10 函 館 |