チ1000形
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 チ1000形は鋼材やレール等の長尺物輸送時における遊車使用や、他の貨車に収まりきらない小型の嵩高荷物を輸送する目的で製造された、10t積みの2軸長物車である。1957年から1962年にかけて200両が配備された。全車とも国鉄の車両工場で製作されている。本車は戦前に製造された2軸無蓋車の改造名義で製造されており、車籍を引き継いでいた他一部の発生品を流用しているが、台枠や床材を始め大半は新造されている。台車は2段リンク式が採用されており、最高時速は75km/hとなっている。前述のとおり遊車使用、即ち他の貨車だけでは積載物の長さが足りない場合、長さを補う目的で使用されることが多く、運搬物の締結は他の貨車で賄っているため、一般的なチ1000形は床材の上に特別な機材等は置かれていない(補助ブレーキ使用時に用いる手すり、ステップは車両側面に設けられている)。全長も8m程度しかないため、数ある貨車の中でも最も小型な車両の一つといえる。貨物輸送の縮小に伴い国鉄時代に廃車になった車両もあるが、レール輸送でも用いられる車両であることから国鉄分割民営化時には31両がJR東海、JR四国以外のJR各社に引き継がれた。基本的にはレール輸送に用いられたが、北海道では主に車両基地内での控車代用として用いられ、控車のような梯子や手すりが新設され印象が変わっていた。一部は2010年台になっても現役を貫いていたが、最後まで残ったJR東日本、JR貨物の車両が2021年に廃車回送されており、JR線上からはその姿を消している。なお、JR東日本を廃車となった車両のうち、チ1111の1両が小湊鐵道に譲渡されている。

 2020,07,02 馬 橋


■Variation
 JR北海道に在籍していたチ1000形。各運転所において控車代用として使用されていた。片側が相当連結器に換装されており、控車のみならずアダプタの役割も果たしていた。

 2016,05,05 函 館
2024/04/14