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タ2000形は1941年に2両、1951年に1両が配備された、アルコールを専用種別とする10t積の2軸タンク車である。本形式は新造ではなく、1941年に配備された車両は二硫化炭素専用タンク車のタム200形（1939年製）、1951年に配備された車両は苛性ソーダ液専用のタム900形（1949年製）を種車とし、それぞれ専用種別を改めている。タンク体は種車のものを流用しているが、アルコールの比重の関係から積載荷重が10tに抑えられており、形式の「タ」はこれに起因する。荷役方式は一般的なもので、ドーム部のマンホールから輸送品を投入し吐出管から液出しを行うものである。もともと走り装置は一段リンク式で最高時速は65km/hであったが、1968年のダイヤ改正に際しては、他の2軸貨車と同様走り装置の2段リンク化が行われ、最高時速が75km/hに引き上げられている。1972年にはタ2000号車が廃車されるが、残る2両は日本アルコール販売の私有貨車として常備駅を変えながら運用された。この2両は国鉄分割民営化後もJR貨物に継承されており、晩年は白新線の新崎駅を常備駅として、同駅と神奈川臨海鉄道の浮島町駅とを結ぶ専用貨物列車を中心に用いられた。晩年は「タ」を称する最後の形式であり、特にタ2001号車については戦前製貨車としても希少な生き残りであったが、新崎駅からの専用線が廃止されたことからお役御免となり、1996年中に2両とも廃車された。戦前製のタム200形を出自とするタ2001号車は除籍後福島臨海鉄道の宮下駅構内に留置されていたが、貨物鉄道博物館に譲渡され、2004年からは同地で保存されている。 2019,07,16 丹生川 |