スユニ50形
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 スユニ50形は、老朽化した既存の郵便・荷物合造車の置き換えを目的に、1978年以降に旧型客車の改造名義で製造された郵便・荷物合造車両である。台枠より上部の車体は50系客車に準じた車体が完全に新製されているが、台車及び連結器については、廃車された旧型客車の発生品を流用している。車体の形状は同時期に製造されていたマニ50形に類似しているが、こちらは合造車であるため側扉の位置はマニ50形とは異なる。車内は郵袋室、郵便区分室と荷物室の間にトイレ・洗面所を配した構造で、荷物室側には車掌室も設けられていた。なお、郵政省所有の郵便車とは異なり本形式は冷房装置は取り付けられていない。本州以南向けの2000番台(電気暖房装備)及び北海道向けの500番台の2種類が存在し、合わせて80両が1983年までに竣工している。しばらくは荷物列車に充当されていたが、国鉄民営化を控えて鉄道による郵便・荷物輸送が全廃となることを受け、大半の車両が1986年までに運用を失い、そのまま国鉄民営化を待たずに廃車された。因みに本来の用途終了後の変わった用途として、予讃線・土讃線の部分電化開業を前に、架線検測車として集電装置が搭載された車両が存在する。国鉄民営化後にJRに継承された車両はわずか7両で、いずれも救援車代用車両として使用された。残存車も経年等で廃車が進んだが、2020年1月までJR東日本に1両が残存し、救援車代用として基本的には盛岡車両センター内にに常駐していた。これも同月に郡山総合車両センターに回送され、そのまま除籍されたことで形式消滅した。(因みに北海道向けの500番台は、2018年に最後の1両が廃車されて消滅している)。なお、廃車となった車両のうちの一部は静態保存されており、三笠鉄道村や小樽市総合博物館、八甲田丸等で見ることができる。

 2014,06,28 三笠鉄道村


2020/12/27