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ソ30形は1936年以降に導入された事故復旧・救援用の操重車で、1928年にアメリカから輸入されたソ20形を元に国内で製造されたものである。大型のクレーン車であり、車体には回転式のキャブとクレーンを搭載し、主巻は65t、補巻は15tまで吊り上げることが可能であった。クレーン部を除く車長は10mである。台車は3軸ボギー台車が採用され、これを2基備えた6軸の台車配置となっている。回送時の最高時速は65km/hとなっていた。当初、クレーンの動作は蒸気機関により賄われており、キャブには煙突が搭載されていた他、車両番号を揃えた2軸炭水車を連結した。クレーンの動作に用いられた他動力機関としても用いられ、作業時に低速ながら自走可能であった。ソ30形は戦中期を経て1947年までに7両が製造され、前述のソ20形と共に主に大都市近郊に配置された。戦後になり動力がディーゼルエンジンとなったソ80形が配置されると保守性等で劣ることから、1970年代には本形式の動力もディーゼルエンジンに変更されており、併せて炭水車は不要となった。ソ80形がまとまった両数製造されると本形式は比較的地方の駅に常備される傾向が強まり、北は岩見沢から南は鳥栖に至るまで、各所に配置されて事故等に備えていた。ただ、国鉄分割民営化に際してはJRには引き継がれず全車とも1987年までに除籍されている。このうち、岩見沢に配置されていたソ34号車のみ解体を免れ、小樽市総合博物館に控車であったチキ6141号車と共に保存されている。
2014,06,27 小樽市総合博物館 |