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シキ160形は、富士電機で製造された変圧器を輸送する目的で1955年に日本車輌で製造された大物車であり、前述のとおり富士電機の私有貨車として開発された。車体を2分割し、分割した車体の間に変圧器を吊り掛けるように積載できるようになっており、故に「吊り掛け式大物車」と称される。この構造のため積み荷によって全長が変わるが、積み荷がない時の全長は約23.7mとなっている。最大積載量は130tである。車体は高張力鋼で製造されており、荷受梁はトラス構造となり、トラス部分はリベット接合と溶接の併用により組み立てられている。台車は3-3軸複式ボギー台車で、即ち3軸台車を1両に4組備えている。台車は1段リンク式であり、積載物ゆえ高速走行には適さないことから最高時速は65km/hに抑えられ、所謂「ヨンサントオ」のダイヤ改正後もそのままとされた。その後は識別のため枕梁の部分に黄帯が挿入されている。なお、台車と荷受梁を繋ぐ枕梁の部分は、1958年に他形式(当時落成間もないシキ280形)で脱線事故が発生したことに伴う脱線再発防止策の一環で大規模な改造が施されたことで、この部分のみ全溶接構造となっている。この改造の際に車輪径の変更、緩衝器の換装等も併せて行われている。なお、本形式はシキ160号車1両のみであり、以降の増備はない。製造当初は安善駅常備とされ、富士電機川崎工場で製造された変圧器の輸送を行ったが、同社千葉工場の開設及び京葉臨海鉄道の開業にあわせ、常備駅が京葉市原駅に変更され、以降除籍まで京葉市原駅常備の扱いとなった。国鉄分割民営化後はJR貨物に車籍継承され、貨車の中でも比較的長命な車両となったが、1998年初頭の変圧器輸送を最後に運用を離脱し(最終運用時はそれを示す記載が車体にされている)、その後は保留車として富士電機千葉工場内に留置され、2001年に千葉工場が株式会社日本AEパワーシステムズに移行した際は同社の私有扱いとなったが、運用には復せず2002年に除籍された。その後も同工場内での保管を経て、2007年に貨物鉄道博物館に寄贈され、以降は同地で保存されている。
2019,07,16 丹生川 |