キ800形
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 ラッセル車だけでは処理しきれない豪雪時の除雪用途として、1923年からロータリー車が導入されていたが、ロータリー車は遠方に投雪ができるものの、その範囲はロータリーヘッドの幅の範囲に限られるという欠点があった。これを補うため、線路脇に堆積した雪を崩してあえて線路中央に雪を集積させ、それをロータリー車によって遠方に投雪するという手法が考案された。この手法を実現すべく開発された除雪車をマックレー車またはかき寄せ雪かき車と称する。マックレー車は名前こそ同種の除雪技術を考案したカナダ人技師であるマックレー氏に因むが、1926年に北米を視察しこの技術に触れた鉄道省札幌鉄道局の技師である羽島金三郎氏により実用化されたものである。1928年に苗穂工場でマックレー車の試作車が落成し、これをユキ500形と称した(同年中の称号改正でキ500形に改称)。通常の除雪車とは異なり機関車の次位に連結され、後部に設けられたかき寄せ用の翼を逆八の字型に広げることで、最大6.2mの範囲で線路横に積もった雪を線路上に集積させることができた。機関車と通常連結する側は、木製の乗務員室(操縦席)が設置されていた。かき寄せ翼の開閉は空気圧で行ったが、空気ダメやシリンダーは翼の動作にのみ用いられ、スペースの都合上本車用のブレーキ装置を搭載できず、ブレーキ装置は手ブレーキのみとなっていた。これは後継車(初代キ550形→キ900形)も同様である。本車の役目は前述のとおり線路中央に雪を集積させることから、ロータリー車と併用することが前提であり、後にマックレー車とロータリー車を連結して除雪するようになった。前後に機関車を連結したことからこれを「キマロキ編成」と称した。なお、本車両は製造にあたり、廃車となった7350形蒸気機関車の炭水車の台枠を流用しており、台車も元々は種車のものを引き継ぎ2軸-1軸という構成であったが、後年に両台車とも2軸に改められている。また乗務員室の形状も後年は改められている。本車を元に改良を加えた初代キ550形(後のキ900形)が1929年から製造されているため、本車は1両のみにとどまっている。落成当初は北海道で使用されたが、後に本州に転じ、1941年の称号改正でキ800形キ800号車に改番された。最終的には1958年に除籍されているが、1962年に開館した北海道鉄道記念館(後の小樽市総合博物館)に保存された。以来同地で保存展示されており、除籍から70年近くたった現在でもその姿をとどめている。なお、1965年には準鉄道記念物に認定されている。

 2014,06,27 小樽市総合博物館


■Variation
 かき寄せ翼の側から望む。一般的な除雪車と異なり此方が後部で、かき崩した雪を線路上に集積させ、後続のロータリー車で遠方に投雪した。「キマロキ編成」を組む場合、こちら側にロータリー車を連結した。

 2014,06,27 小樽市総合博物館

2026/06/04