キ700形
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 ラッセル車、ロータリー車に続き日本に導入された除雪車が「ジョルダン車」と称されるものである。アメリカのジョルダン社が製造した車両であることにちなみ、別名「広幅雪かき車」とも呼ばれる(アメリカでは除雪車というよりはバラストをならす保線用途での使用を主眼にしている)。駅、操車場、車両基地など、比較的広い範囲を除雪する目的の車両で、左右の側面に設置された除雪翼を最大まで広げた場合7.6mにもなり、広い範囲を除雪することができた。片側のみ稼働させることもでき、構内のみならず線路側面の雪が堆積した場合の「幅切」等、本線でも用いられることがあった。このジョルダン車は1926年にアメリカから輸入された2両を嚆矢とし、当初はこれをユキ400形と称したが、1928年に称号改正によりキ400形に改称している。アメリカからの輸入車は、当初乗務員室もなく除雪翼の他、除雪翼を稼働させるための空気タンクやシリンダーのみが搭載されたものであったが、1928年以降に国内で製造された車両からは前位に木造の操縦室、後位に木造の櫓を備え、輸入車もそれに追随した(木造の乗務員室、櫓は車両により形態が異なっていた)。除雪翼は使用しない場合側面に畳まれるため、車両限界の関係から操縦室は細長い構造となっている。キ400形は1941年の称号改正によりキ700形に改められたが、改称後に新造された車両もあり、最終的には1948年までに24両の陣容となった。戦後製の車両については台車が変更された他車体が鋼製になったが、操縦室・櫓が木造であった既存車も、後に鋼製の操縦室に改められ、もともと車体中程に設置されていた空気タンクが後方に移設されている。また、後年には空気タンク横に機械室が設置された。本形式を含め除雪車は最高時速が65km/hとなっており、所謂ヨンサントオのダイヤ改正に際して貨車の最高時速引き上げが行われた際は、識別のため黄色1号の帯が巻かれている。1979年以降、台車換装、除雪翼の駆動を油圧式にして駆動用のディーゼルエンジンを搭載し、併せて車体も載せ替えるという、新造に近いほどの大規模な改造が施された車両が現れた。この改造を施された車両はキ750番台に改番され、改造順にキ750〜キ757という車号が振られており、いずれも苗穂工場で改造されている。キ700形は主に北海道と東北で用いられたが、経年に加えてディーゼル機関車や除雪用モーターカーの台頭等もあり、大半の車両は国鉄分割民営化の前に廃車されており、大規模改造されたキ750番台も半数はJRに引き継がれず、短命に終わっている。キ750番台のうち4両のみがJR北海道に継承され引き続き用いられたが、これらも1993年までには全車廃車されている。24両という車両総数に比して保存車両は比較的多く、キ700番台が3両、キ750番台が3両の計6両が現在も保存されている。

 2014,06,27 小樽市総合博物館


■Variation
 後位側を望む。枕木方向に設置された大型の空気タンクが目をひく。操縦室の外板が木製だった当時はタンクの位置・向きが異なっており、最後部には作業用の櫓が備えられていた。

 2014,06,27 小樽市総合博物館
 近代化改造が施されたキ700形。キ750番台に改番されているためキ750形と呼称されることがある。完全な箱型車体となり、前面が3枚窓になっている他、全ての窓がHゴムで支持されている。貨車扱いであるため塗装は種車と同じであり、黒色を基調に65q/h制限車であることを示す黄色1号の帯を巻く。この改造が施された頃には既に蒸気機関車は全廃しており、本車は主にディーゼル機関車の推進による運転となっていた。

 2014,06,28 三笠鉄道村
 後位側を望む。此方側にディーゼルエンジンを搭載し、ルーバーが設置されている。空気タンクを搭載していた改造前と比べても、貨車というよりは事業用客車に近い印象となっている。

 2014,06,27 小樽市総合博物館

2026/06/02