カヤ27形
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 1999年に営業運転を開始した寝台特急「カシオペア」用の客車E26系は、編成のサービス電源供給をラウンジカーのカハフE26形1両で賄っており、同車の故障・検査時には「カシオペア」の運転自体ができなくなる事態となっていた。そこでカハフE26形が運用に入れない際の予備電源車を確保することになり、耐寒耐雪仕様のカニ24形500番台のうち1両に白羽の矢をたてて改造する事となった。カヤ27形はそのような背景を経て2000年に登場した。種車は貫通扉がついていたカニ24-510号車だが、改造に際し青森方の貫通扉は埋められており、またE26系との連結に合わせ、上野方では連結器の交換が行われている。塗装はE26系と同じシルバーベースの塗装に変更されている。また、屋根上にE26系の各個室内で用いられる衛星放送やGPSのアンテナ等を備えている他、旧来の荷物室は蓄電池を置くスペースと業務室にあてがわれており、車販準備スペースも設ける等カハフE26形のうち事業目的の設備を全て完備している。尚、発電用のエンジンはカニ24形時代のものをベースとして使用している。カヤ27形はカヤ27-501号車のみの陣容で、改造以来尾久車両センターに配置されている。前述の通り予備電源車であるため、本線を走行する機会は殆どない。同車を連結して運用する際は「カシオペア」のラウンジカーは非連結となる他、同車自体は電気指令式ブレーキに対応していないため、運用時はE26系の電気指令式ブレーキは作動しなくなる。

 2012,11,10 尾久車両センター