HB-E300系海里
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 それまで羽越本線を走行していた観光快速「きらきらうえつ」の老朽化に伴い、同線を走る新たな観光列車として「新潟県・庄内ディスティネーションキャンペーン」にあわせて開発されたハイブリッド車両であり、2019年に新潟トランシスで製造された。「リゾートしらかみ」で用いられているHB-E300系と同じく、先頭車両であるHB-E301形・HB-E302形の他、中間車としてHB-E300形を2両(搭載機器及び内装の違いにより0番台と100番台に分かれる)連結した4両編成を組んでおり、車両番号は既存車両の続番となっている。それまでのHB-E300系とは前照灯の形状が異なっており、小型のLED灯が左右に10灯ずつ斜めに配されたもので、従来の車両とは印象が大きく異なる。「新潟の食」「庄内の食」と「日本海の景観」が車両コンセプトとなっており、外装は「日本海の夕日」をイメージした「サンセットオレンジ」から「新雪」をイメージしたホワイトへと、編成全体でグラデーションを表現した。なお、本車両の愛称「海里」は、日本海沿岸を走る羽越本線を織りなす「海」と「里」から取り入れられている。前述の車両コンセプトにもあるように、元々2019年の「新潟・庄内デスティネーション」が「日本海ガストロノミー」を表題に挙げていたこともあり、本車も「きらきらうえつ」以上に「食」に特化した車両であることが特徴である。特に新潟方の先頭(4号車)は旅行商品専用のダイニングカーとなっており、2人掛け、4人掛けの大型テーブル付きボックスシートの他、日本海側を向いたテーブル付きペアシート等が設けられている。このダイニングカーでは、沿線の料亭やレストランがプロデュースした食事がついており、「食」を堪能するにふさわしい車両となっている。3号車は1両すべてが売店とイベントスペースで占められている。2号車は「リゾートしらかみ」にも見られるような4人定員の簡易個室となっている。簡易個室の座席はスライドが可能で、これによりフルフラットにするができる。酒田方先頭の1号車はリクライニングシートが1200oピッチで展開し、座席はやや窓側を向いて配されている。サニタリースペースは1号車(HB-E301形)と3号車(HB-E300形0番台)に備え、特に洋式トイレは車椅子スペースにも対応した大型トイレとなっている。「海里」は、前述したデスティネーションキャンペーンの開催に合わせ、2019年10月から営業運転を開始した。基本的に快速運転の扱いで、「海里」は新潟〜酒田を週末を中心に1日1往復するが、延長運転で秋田駅まで運転されることがある他、団体臨時列車としては飯山線の十日町や青森まで入線したこともある。

 2021,12,05 新 潟


2021/12/05