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1962年登場。1961年に常磐線の取手〜勝田間が電化されたが、地磁気観測所への影響を抑える為に取手以南と同じ直流電化ではなく交流で電化される事となった。そこで交直流双方を走行可能な電気機関車が求められ、1959年より試験を行っていた試作機ED46形の試験結果を元に製造された機関車がEF80形である。旅客用として試作されたED46形と異なり客貨両用での使用を目的とした事から、従来の車両に比べ重量が増大しており、これを克服するために軽量化及び粘着力向上を図るべく、1つの電動機で1つの台車を駆動する1台車1電動機方式が採用された。また駆動方式はカルダン駆動方式であり、この点はED46形の特徴をそのまま受け継いでいるが、整流器はED46形が水銀整流器を採用したのに対しこちらはシリコン整流器が採用されている。1962年10月より運用を開始し、常磐線の旅客列車・貨物列車双方の牽引で主力機となった。その後新金貨物線や水戸線の電化に伴っても増備が進み、1967年までに総勢63両の陣容となった。尚、前期に製造された50号機までと後期に製造された51号機以降では前照灯等一部形状が異なる他、前期型車両には後に庇が取り付けられている。常磐線以外にも水戸線や新金貨物線経由で総武線等でも活躍したが、1980年代になると後継機かつ保守性に優れたEF81形が台頭し、同機と異なる駆動方式を採用しているEF80形はその活躍を徐々に追われることとなった。末期は田端機関区に在籍していたが、同区でもEF81形の転属により余剰廃車が発生し、結局JRには継承されず1986年までに全車廃車された。廃車後は36号機が大宮総合車両センター、63号機が碓氷峠鉄道文化むらに静態保存されていたが、36号機は2017年に解体されている。
2012,08,23 碓氷峠鉄道文化むら |