ED11形
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 ED11形は1922年にアメリカGE社(機器類はAlco社製)で2両が製造され、翌年に日本へと輸入された電気機関車であり、同時期に輸入された電気機関車同様、東海道線や横須賀線の電化開業にあたり電気機関車の性能を確かめる目的で導入されたサンプル機の一つである。全長11m級のデッキ付箱型車体の電気機関車で、側面に配された田の字型の窓が特徴的となっている。同時期にアメリカから輸入されたED14形(当時の1060形)とはその形態が似ているが、牽引力の伝達方式が異なっておりこちらは車体ごと牽引力を伝達する方式となっており車体に連結器が付けられている(ED14形は牽引力を台車のみで伝達する方式で、台車部に連結器が付けられている)。尚、当初1010形と称したが、1928年の称号規定改正に伴いED11形へと改番された。ED11形は当初東京機関区に配置されて東海道線や横須賀線の列車牽引に使用されたが、その後も国府津機関区に転じたものの主だった活躍場所は変わらず、最後まで登場時からの活躍線区である東海道線や伊東線を中心に使用された。尚、1951年に機器換装がなされており、機器類に関しては他の機関車と互換性のあるものになっている。1960年に1号機が廃車され西武鉄道に譲渡され、残る2号機は浜松工場の入れ替えに使用されたが1976年にED18形に置き換わるとその用途を失った。以降長期に保管されたのち1991年からは佐久間レールパーク、同館閉園後はリニア・鉄道館に移設され、それぞれ静態保存されている。一方西武鉄道に譲渡された1号機はE61形へと改番の上1986年まで現役で使用され、現在は横瀬車両基地で静態保存されている。黎明期に導入された輸入電機の中で、全車とも完全な形態で現在に至るまで現存している例は非常に珍しく、往時を伝える貴重な機関車となっている。

 2023,01,25 リニア・鉄道館


2023/03/26