E4系
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 1997年登場。新幹線における通勤需要の高まりを受けて1994年にオール2階建て新幹線としてE1系が開発・投入されていたが、よりフレキシブルに運用可能なオール2階建て新幹線車両としてE4系が開発された。E1系に引き続き、「Multi Amenity eXpress」の頭文字をとり「Max」の愛称を持つ。車体幅、車高はE1系と同一だが、こちらは軽量化のためにアルミ合金製となったほか、空気抵抗の低減のため、前頭部がロングノーズ状、運転台部分はキャノピー型と称される形状となっている。塗装パターンはE2系に準じており、飛雲ホワイトと紫苑ブルーを基調に、中間に山吹イエローの帯を配したものとなっている。E1系は12両固定編成となっていたが、こちらは4M4Tの8両で1編成を組む点が特徴となっている。また分割・併合にも対応しており、2本繋げた16両編成での運転や、400系やE3系といったミニ新幹線車両を併結しての運用が可能である。特に本系列を2本繋げた16両編成の最大乗車定員は1634名にもなり、当時の高速鉄道車両としては世界最大級の輸送力を誇った。制御方式にはIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている。前述の通りMT比は1:1だが、電動車の絶対数がE1系より少ないこともあり、主電動機出力を増強させている他冗長性確保のためモーター制御は台車単位で制御できるようになっている。一部には抑速ブレーキを追加して碓氷峠区間の通過に対応した編成や、更に50/60Hzの双方に対応した編成も存在した。車内は大きく普通車自由席、普通車指定席、グリーン車の3種類に分けられる。普通車自由席は東京方3両の階上に位置し、輸送力確保の観点から3+3人掛け(端部のみ2+3人掛け)の回転クロスシートが980oピッチで展開する。自由席と後述のグリーン車以外はリクライニングシートが980oピッチで展開するが、このリクライニングシートは座面スライド機構を有しており、本系列以降のJR東日本の車両ではしばらく標準的な設備となった。グリーン車は盛岡・新潟方2両の階上に位置し、2+2人掛けのリクライニングシートが1160oピッチで展開する。グリーン車の座席は新幹線では珍しくレッグレストも備え付けられていた。E4系では各車両に昇降機が設けられており、2階建て車両ながらワゴンによる車内販売を可能としている。また中間車には自動販売機や売店も設置され、充実した車販設備を備えていた。E4系は1997年12月から営業運転を開始し、当初は東北新幹線に投入された。1999年からは山形新幹線に直通する400系、E3系との併結運用が開始され、さらに2001年からは上越新幹線の運用にも投入されている。なお、北陸新幹線への乗り入れに対応した編成に限り、2000年から2003年まで「Maxあさま」という愛称で上り線のみだが営業運転を行っている。E4系は輸送力の高さと汎用性の高さもあり、2003年までに8連26本、208両の陣容となり主力車両の一翼として活躍した。長らく「Max」の愛称で親しまれた車両ではあるが、最高時速は240km/hであり、特に2011年のE5系の投入以降は高速化への妨げとなることから、東北新幹線の運用から縮小が始まり2012年には同線から撤退した。以降は上越新幹線に集中配備され、2012年に引退したE1系に代わり、同系と同じ朱鷺ピンクを基調とした塗装に変更されることとなった。上越新幹線でも2019年以降にE7系の台頭で置き換えられていくこととなるが、同年の台風被害でE7系に廃車が発生する等車両不足が生じたことから、最終的には2021年まで延命し、同年10月のさよなら運転を以て全ての営業運転を終了した。現在は1両が新津鉄道資料館にて静態保存されている。

 2014,09,23 大 宮


■Variation
 ピカチュウなどポケモンラッピングが施されたE4系。夏休み期間中のキャンペーンに合わせ、2008年及び2009年の2年に渡り、E4系のうち2編成ずつにラッピングが施された。

 2008,09,02 大 宮
 E4系の中には北陸新幹線の連続急勾配に対応した編成が4本存在した。2001年に製造されたP51、P52編成と2003年に製造されたP81、P82編成がそれにあたり、抑速回生ブレーキを搭載して30‰の連続急勾配区間を控える北陸新幹線の走行に対応した。P51、P52編成は軽井沢まで入線可能で、P81、P82編成は60Hz区間の走行にも対応し、軽井沢以西まで入線可能となっている。2001年から2003年まではこの特性を活かし、軽井沢→上野または東京という片道運転ながら「Maxあさま」として北陸新幹線区間内で営業運転を行った。なお、入線可能とはいえ北陸新幹線での運用は極めて限定的であり、軽井沢以西への営業列車への充当は行われず、重量の関係から下り方面への営業運転も行われなかった。

 2014,06,14 大 宮
 帯色が後年のE1系と同じ朱鷺ピンクに変更されたE4系。同系列は2012年以降上越新幹線専属となっており、それもあり2014年以降、新潟デスティネーションキャンペーンに合わせて、2016年以降残存した全編成がこの姿に改められている。ロゴマークもトキを描いたものに改められている。

 2015,05,30 大 宮
2025/03/03