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1993年登場。中央線特急の速達化とサービスアップの両立を図るべくして製造された特急型車両で、JR東日本の車両として初めて形式の頭にEの文字がついた車両であると共に、JR東日本の車両では唯一の振り子式車両である。車体は651系に準じた普通鋼製車体であり前面の形状も似ているが、振り子式車両のため低重心構造となり車体断面が卵型となっている。編成も651系同様8両の基本編成と4両の付属編成がそれぞれ造られたが、こちらは基本編成と付属編成は通り抜けができるようになっており、貫通扉付きの先頭車両も製造されている。制御装置はVVVFインバーター制御装置が採用され、山岳区間の走行にあわせて抑速ブレーキや耐雪ブレーキも備えている。振り子装置の傾斜機構は381系に準じているが、381系と異なり動作をコンピュータ管理する制御付き自然振り子制御方式となり、乗り心地の改善に寄与している。車内は183系の「グレードアップあずさ」同様普通車は970mmピッチ、グリーン車は1160mmピッチとなっているが、183系の3列に対しグリーン車は4列仕様に戻されている(ただし、グリーン車座席にはシートヒーターが設けられている)。1993年に2本が落成してまず定期「あずさ」の一部に充当された後、1994年には特急「スーパーあずさ」として振り子動作を作動させて性能をフルに使った運転が開始された。1995年には更に3本が落成したが、IGBT-VVVFインバーター制御方式となり、その他も仕様が変更されている。こちらが量産車という位置づけになり、それまでに落成した車両は1000番台と改められ量産先行車という位置づけになった。ただし、初期故障が多かったことや中央線高速化計画の変更などもあり、従来車両に比べて大幅にスピードアップを実現させたものの本格的な量産には至らず増備は終了した。尚、1997年には脱線転覆事故が発生し、5両が廃車となったがその分は代替で新造されている。長らく12連5本の在籍であり、特急「スーパーあずさ」の他、「中央ライナー」にも下り1本使用されていた(同車使用の中央ライナーのみ八王子どまりとなっている)。尚、かつては大糸線での運用や東海道線でのライナーの運用もあったが、大糸線からは2010年、東海道線のライナーからは2008年にそれぞfれ撤退している。長らく中央東線のフラッグシップとして活躍していた同形式だが、後継のE353系が営業運転を開始すると運用が狭まり、2018年3月のダイヤ改正で運用を離脱、同4月のさよなら運転を以て本線上から姿を消している。
2008,08,15 上諏訪 |