E261系
トップページ鉄道写真図鑑JR特急型電車>E261系
 2019年登場。それまで伊豆方面の特急「スーパービュー踊り子」に用いられてきた251系が製造から30年近く経過し老朽化が進んできたことにより、E257系を中央本線系統から転用するものとは別に、新たな観光用特急型車両を製造し、251系の置き換えにあてることになった。これにより製造された特急型車両がE261系である。251系がグリーン個室やサロン、キッズスペース等あらゆる客層の需要を取り込んだ内装となっていたのに対し、こちらは「大人のIZU 本物のIZU」を設計のコンセプトとしており、より大人向けの高級志向に特化した車両となっている。車体はアルミ合金製で、車体デザインは「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当し、伊豆の大自然をコンセプトとしている。先頭部は大型曲面ガラスを用いた流線形の形状となっている。外装はペニンシュラブルーを基調として、窓周りをグレー、上部に白帯を配している。空調装置を床下に配置することで客室空間を広げたほか、全車に天窓が取り付けられ眺望性向上に寄与している。制御方式はフルSiC-VVVFインバーター制御方式であり、主電動機はE235系でも採用された全閉式かご形三相誘導電動機が採用されている。車両情報装置としては特急型車両で初めてINTEROSが導入されており、通信の大容量化がなされている他、全ての台車にフルアクティブサスペンションを装備し、走行中の振動加速度を制御装置に反映することで、動揺の防止と乗り心地の向上が図られている。本形式は前述のとおり高級志向に特化した観光特急車両であることから、すべてグリーン車以上の等級で、普通車は連結されていない。編成の半分を占めるグリーン車は近年のJR東日本の特急型車両としては珍しく1+2人掛け配置となり、シートピッチは1160oとなっている。座席は新幹線E5系のグリーン車に準じており、付帯設備として座席備え付けの読書灯やコンセント、電動レッグレスト等が配備されている。編成中間の4号車はカフェテリア車両で、形式も「サシE261形」と、新造の特急型車両としては久々の食堂車扱いの車両となっている。車内はアンティーク調にまとめられており、食事スペースは片側が窓向きの1人掛け席、反対側が4人掛けのソファシートとなっている。このカフェテリアでは麺類などの軽食や飲料を中心に提供しており、事前にスマートフォン専用サイトからの注文で対応することで、キャッシュレス対応を実現している。2,3号車はグリーン個室となっており、それぞれ4人個室と6人個室が2部屋ずつ、いずれの個室も海側に面する形で配置されている。伊豆急下田方先頭の1号車はグリーン車よりグレードの高いプレミアムグリーン車となっており、1+1人掛けの座席が1250oピッチで展開する。通常の座席配置とは異なり海側によった配置となっており、反対側が通路となっている。座席は本革張りのバックシェル、電動フットレスト付き電動リクライニングシートで、窓側に30度向きを変えることができる。荷棚がない反面バックシェルの下部がなお、グリーン車からプレミアムグリーン車に至るまでに車内のカラースキームが徐々に白基調から黒基調に移行するという点は本車の特筆点といえよう。E261系は2019年中に2本が製造され、2020年3月に特急「サフィール踊り子」として営業運転を開始した。翌年には鉄道友の会のローレル賞を受賞しており、伊豆方面への新たなフラッグシップとして活躍が続く。

 2022,05,04 新子安
2022/05/04