キヤE193系
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 2002年登場。老朽化したキヤ191系・マヤ34形の置き換えを目的に製造された在来線非電化区間用の総合検測車両であり、「Easti_D」の愛称をもつ。キヤE193形、キヤE192形、キクヤE193形という3両で組成されており、それぞれ信号設備、架線系統、軌道を測定できるようになっている。前述の通り非電化区間を中心に使用される車両ではあるが、仙石線など一部電化区間でも検測を行うため、キヤE192形は架線検測のための下枠交差型パンタグラフが2基備えられている。車体は同時期に製造された電化区間用の検測車両であるE491系に準じているが、E491系が日立で製造されているのに対しこちらは新潟鉄工所にて製作されている。エンジンはカミンズ製の高出力エンジンが搭載されており、最高時速110km/hでの運転が行える。制動は電気指令式ブレーキを採用し、更に耐雪・抑速ブレーキを標準装備し、保安装置もATC以外の装置を一通り搭載している為、ATC区間・標準軌区間を除けばどの線区でも走行できるようになっている。尚、2011年より仙石線で導入された新型保安装置ATACSにも対応しており、現在はATACS用のナンバーが前面窓部に貼り付けられている。また機軸面としてはJR東日本の気動車としては初めてDICSという車両モニタ装置が搭載されており、それを通じて編成の一元的な管理が行えるようになっている。キヤE193系は3両1編成が秋田車両センターに配置されており、JR東日本の各路線の他、各種臨海鉄道やJR北海道、山形鉄道等の第3セクターにも貸し出され、広範囲における総合的な検測を行っている(現在のJR東日本の車両としては、最北で稚内までと乗り入れる範囲が最も広い車両である)。因みにE491系同様編成中に限界軌道測定車のマヤ50形を連結することも可能で、その際は4両編成での運転となる。

 2012,12,11 大 宮


■Variation
 中間に連結されるキヤE192形。完全な中間車であり運転台は備えられていない。同車は仙石線等架線を有する路線の検測を行う際に架線検測車として使用され、検測時には車両に備え付けられたパンタグラフを上昇させながら検測を行う。尚、このパンタグラフは2基取り付けられているが、検測時の向きによってパンタグラフを使い分けている。

 2012,12,11 大 宮
 「レインボー機」と呼ばれるEF65形1118号機に牽引されて武蔵野線を走行するキヤE193系。ATS-Pを搭載している為基本的にはATC区間以外のどの線区も自力走行が可能だが、首都圏管内では気動車を運転できる乗務員が少ないことから、専ら首都圏への移動の際は機関車に牽引される。また、京葉臨海鉄道等で検測する際はディーゼル機関車の牽引によって検測を行い、青函トンネルの検測時はED79形等の牽引によって行う等、検測時に必ずしも単独で走行するとは限らない。

 2012,12,13 南浦和