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1999年登場。特急「ゆふいんの森」は1992年からキハ71系・キハ183系による2本体制となっていたが、このうちキハ183系については大村線を走行する特急「シーボルト」に転用することになり、車両が不足することからキハ71系と同意匠の車両を新造しキハ183系の代替とすることになった。これにより新造された車両がキハ72系で、艤装等は自社の小倉工場で施工された。キハ71系が急行型気動車の機器類を流用して製造されたのに対し、こちらは走行機器類も含めて完全に新製されている。当初より「ゆふいんの森」に使用される目的で製造されたことから、車体のデザインはキハ71系をベースとしており、塗装もモスグリーンのメタリック塗装に金帯を配したものとなっている他、独自のエンブレムも取り付けられている。眺望性を重視したことから客室部は全てハイデッカー構造となっており、その点もキハ71系と共通だが、こちらは側窓が1座席に1か所の配置となったほか、窓の部分は傾斜がついていない。前面の灯具配置も変更されており、前照灯は小型化された他尾灯は前照灯よりも下部に設けられた。同車は走行機器類も含めて新製されているが、エンジンはキハ200系と同等のものが搭載されており、制動は電気指令式ブレーキが採用されている。これら車両性能の向上に伴い、キハ71系とは異なり最高時速120km/hでの運転も可能となっている。車内はキハ71系同様のモノクラス構成で、客室部はリクライニングシートが1000oピッチで展開する。難燃木材を使用した床材などはキハ71系の流れをくむが、こちらはよりカジュアルな内装となっている。また、荷棚はハットラックが採用されている。また付帯設備としてキハ72−3にはビュッフェを備えている。前述のとおり本形式もオールハイデッカー構造となっているが、客室間を繋ぐ通路の高さを客室部分と同じ高さに統一したため、貫通幌が通常よりも高い位置にある。キハ72系は基本的に特急「ゆふいんの森」のうち、博多〜由布院間の列車を主体に用いられている。長らく4両編成を組んでいたが、2015年には中間車が1両増備されて5両編成となった。この際増備された車両は気動車には珍しい付随車で、「キサハ72形」という形式がつけられた他、客用扉が設けられず1両すべてが客室となっている点も特徴である。なお、同車の導入に併せて博多方先頭車の車番が変更されている。
2018,12,31 博 多 |