キハ58系こがね
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 元々小牛田運輸区に配置されていたキハ58系改造の欧風ジョイフルトレイン「グラシア」を、2003年に内外装ともリニューアルを施し、愛称を変更したものである。「グラシア」は1989年に仙台支社初の気動車改造ジョイフルトレインとして登場した。3両で1編成を組んでいる。ハイデッキ構造は採用していないが前面は流線形となり、大型曲面ガラスの採用により眺望性を高めている。「グラシア」時代はベージュとピンクを基調とし、合間に白のラインを配するという、特に女性客を意識した塗装が採用されていた。車内は主に1+2人掛けのリクライニングシートが千鳥配置されるという独特なもので、通路は片側に寄せられていた。座席は45度ずつ回転が可能で、6人向かい合わせに着席するような座席配置も可能となっていた。運転台後部は展望室としてロビー風になっており、また運転台が半室構造となっていることから文字通り最前部での展望も可能となっていた。中間車は運転台が撤去され、ラウンジスペースが設けられていた。なお、一部のトイレは洋式に改造された。「グラシア」への改造当初はグリーン車扱いとなっていたが、後に普通車扱いに変更され、「こがね」への改造後も普通車扱いとなっている。「こがね」への改造に際しては、愛称のとおり金色とオレンジ、白色を主体とした外装に改められたほか、車内モケットや絨毯の変更が行われている。また、中間車には車椅子スペース及び車椅子対応トイレ(ドレッサールーム併設)が新設された他、端部のラウンジスペースはなくなり、跡地は喫煙ルーム及び通路となった。喫煙ルーム部分の窓は埋められており、この点は「グラシア」時代との外観上の変化の一つである。「こがね」へのリニューアル後も引き続き東北地方を中心に運用され、特に仙台〜気仙沼間を気仙沼線経由で運行した「こがねふかひれ号」のように、半定期的に運行される列車も存在したが、老朽化が進行したことから2010年12月を以て運用離脱し、翌年に廃車された。廃車後はフィリピンに譲渡されており、2020年の時点ではマニラ都市圏における座席指定制車両に用いられている。なお、フィリピンでも愛称を引き継ぎ「kogane」と称されている。

 2007,03,26 小牛田


2021/02/21