キハ185系A列車で行こう
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 「A列車で行こう」は、九州新幹線全線開業を契機として2011年に導入されたD&S列車である。熊本と天草半島の玄関口となる三角を結ぶ、三角線としては初めての特急列車であり、現在のところ唯一キハ185形を改造した「D&S列車」である。他のD&S列車同様、デザインは水戸岡鋭治氏によるものとなっている。三角線の終点三角が天草諸島への玄関口であることに因み、天草への観光・周遊を主眼においた列車として開発されており、かつて天草諸島に南蛮文化やキリシタン信仰が伝来したことから「16世紀大航海時代のヨーロッパ文化」と「古き良きあまくさ」をイメージしてトータルデザインがなされている。列車名はジャズの名曲に因んだものだが、本列車において「A」には「天草」と「Adult」という意味が込められており、「大人の旅」が本列車のコンセプトとなっている。外装は黒と金を基調としたデザインとなり、他のD&S列車同様レタリングなどが配されている。車内のうち一般客室部分は種車のリクライニングシートをそのまま活用しているが、モケットは独自仕様のものに変更されている。また床材はフローリングに改められている。1号車(三角方)の半分は本列車を象徴する設備として「A-TRAIN BAR」と称される、ハイボールサーバーやビールサーバー等を備える本格的なバーカウンターが設けられており、前述したイメージを体現するように、ステンドグラスやアーチ型照明、格天井等が特徴の内装となっている。バーカウンターにもソファシートやベンチシートが設けられている他、マリア像などキリスト教にまつわる展示物の展示スペースも設けられている。2号車(熊本方)の車端部はセミコンパートメントシートという扱いとなり、座席が向かい合わせで固定式となりガラスのパーテーションで仕切られている他、木製の折り畳みテーブルが備え付けられている。デッキ付近はフリースペースとなり、テーブル付きソファーと子供用チェア(窓向き座席)が設けられた。なお、サニタリースペースは元々リニューアルがなされていたため、床材交換等にとどめてある。本列車は2011年9月から営業運転を開始しており、基本的には熊本〜三角間で運用されるが、一時期は一部が博多駅まで延長運転を行っていた。因みに本列車への改造に際しては、車両番号は種車のものをそのまま引き継いでいる。

 2019,11,03 熊 本


2025/10/19