キハ121系・キハ126系
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 2000年登場。老朽化していたキハ58系の置き換えと、山陰本線の高速化事業の進捗により導入された車両である。既にローカル線用に導入されていたキハ120形とは異なり、こちらは全長20m級の大型車体となっている。車体は軽量ステンレス製で、各車両の両端に片開き扉を備えている。袖は絞られておらず直線形状である他、前面はほぼ切妻状でシンプルなデザインとなっている。側面は赤と青の帯を巻き、前面は警戒色を兼ねて赤色が配されている。キハ126形はトイレのある0番台(増備車は10番台)とトイレのない1000番台(増備車は1010番台)の2両で構成された片運転台車、キハ121形はトイレつきの両運転台車両となっているが、キハ126形についても将来の両運転台化が容易に行えるように設計されている。なお、初期に製造された0番台・1010番台と増備車の10番台・1010番台では乗務員扉の有無や床面高さ、座席の形状等が異なっており、キハ121形は後者に準ずる。本系列と同時期に、同じく山陰本線高速化事業により特急型車両としてキハ187系が開発されており、コスト低減もあり機器類は基本的にキハ187系と共通となっている。走行機関は出力450PSのキハ187系と同じものが1基搭載されており、既存の車両と比べて走行性能の向上がなされている。なお、営業運転での最高速度は100km/hとなっている。また、本形式はキハ187系と同様、車両全般の制御・管理をデジタル化し、コンピュータで管理するTICSを初めて導入している。これにより車両の一元管理や電車との部品共通化が可能となり、同時期に導入された天竜浜名湖鉄道のTH2000形以降の軽快気動車にも基本的に本機構が導入されており、その先駆けとなっている。この機構の導入により運転台にはモニタ装置が搭載されている他、制動も電気指令式ブレーキとなったため、既存の気動車との併結は行えなくなっている。なお、冬季に比較的積雪のある山陰地区向けの車両であることもあり、耐雪ブレーキも備えている。車内はドア付近と車端部にロングシートを備えている他は4人掛けボックスシートが展開し、デッキ等はないが置き換えるキハ58系に準じた内装となっている。ボックスシートのシートピッチは約1600oとキハ58系列より拡大しているが、立ち客への対策としてボックスシート部分にもつり革が配されている。なお、ボックスシートのフレームや壁面が木目調となるなど、カラースキームは暖色系でまとめられている。この内装はコスト削減もあり、予め組み立てた内装部品を車内に取り付けるパネル工法が採用されている。キハ126系は米子〜益田間の高速化を機に0番台・1000番台2連5本が製造され、次いで2003年には鳥取〜米子間の高速化事業の進捗等により10番台・1010番台2連5本とキハ121形9両全車が投入された。全車とも後藤総合車両所に在籍しており、基本的には高速化事業がなされた山陰本線鳥取〜益田間、因美線の鳥取〜智頭間で「とっとりライナー」「アクアライナー」等の快速列車を中心に使用されるほか、キハ121形は鳥取〜浜坂間と伯備線の伯耆大山〜生山間でも定期運用を持つ。なお、境線でも運用されているが、使用列車が限定されている他、2019年の車載型ICカードリーダー導入に伴い、使用車両も限定されるようになった。

 2013,07,20 鳥 取


■Variation
 2連を組むキハ126形。トイレのある車両が0番台(増備車は10番台)、ない車両が1000番台(増備車は1010番台)と区分されている。

 2013,07,20 鳥 取
 石見神楽ラッピングが施されている車両。2015年には三江線全通40周年を記念しキハ126系として唯一三江線を営業運転している。なお、0番台・1000番台は乗務員扉が取り付けられていない。

 2013,07,20 米 子
 2024年時点で石見神楽ラッピングが施されているキハ126-2及び1002。2012年からラッピングが施されている当該編成だが、2019年にデザインリニューアルが施され、現行の姿に改められている。

 2024,02,25 松 江
 「山陰海岸ジオライナー」用のラッピングが施されているキハ126系。「山陰海岸ジオライナー」は土休日を中心に豊岡〜鳥取間で運用される臨時快速であり、キハ126系では唯一豊岡まで乗り入れる列車である。

 2013,07,20 豊 岡
2024/03/09