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「おいこっと」は、2015年3月の北陸新幹線金沢延伸に際し、一部並行する飯山線の観光活性化を図る目的で導入された観光型車両で、2014年〜2015年にかけて2両が改造された。名称の「おいこっと」は、唱歌にも歌われるようなふるさと・田舎をイメージするため、都会の象徴ともいえる「東京」のローマ字を反転(OYKOT)させたことに由来し、親しみのある名称とするために、ひらがなの愛称となった。同列車はキハ110形からの改造だが、改造種車は元々北上〜秋田間の特急「秋田リレー号」で使用されていた元300番台で、1997年の秋田新幹線開業に伴い長野に転属したものである。一般仕様車への改造(200番台)の際、2両が眺望車「ふるさと」として一部座席が窓向きに設置され、いったん他車と同じ内装へ改められたのち、2両ともこの「おいこっと」の種車として選出された。外装は「茅葺き屋根の古民家」をイメージしたもので、臙脂色とアイボリーを基調に塗装されている。なお、前部の塗装は1両ずつ反転している。車内はセミクロスシートとなっているが、床は木目調となり遮光カーテンは障子風の模様が入れられ、総じて古民家風の内装となっている。ロングシートはソファー調となり、各座席には大型のテーブルが取り付けられた。なお、テーブルは収納も可能で「おいこっと」運用以外では収納される。また壁面には唱歌「故郷」の情景イラストが描かれた行燈調の照明がつけられている。なお、「おいこっと」として使用されるときは、沿線に近い木島平出身で「まんが日本昔ばなし」の語り部であった常田富士男氏のアナウンスが流れる。観光列車だけでなく平日等は定期普通列車としての運用もあり、そのため車内には吊り革や優先座席、ワンマン運転用機器類も設置されている。当初1両が落成し、2015年1月より定期列車として使用を開始。その後2両目も落成したことから、同年4月より「おいこっと」としての営業を開始した。基本的には長野〜十日町間を1往復、冬季を中心に長野〜戸狩野沢温泉を2往復、それぞれ快速として運転する。
2018,01,28 戸狩野沢温泉 |