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2017年7月から開始された信州デスティネーションキャンペーンにあわせて小海線に「のってたのしい」観光列車を走らせることになり、これによりキハ100形・キハ110形各1両を改造した車両が導入された。愛称の「HIGH RAIL 1375」は、日本の粘着式鉄道では最高地点(標高1375m)をとおり、JR線の標高の高い駅上位9位までを占める小海線を走ることに由来する。前述のとおりキハ100形・キハ110形各1両が種車となっているが、キハ100形は元々長野地区には在籍していない車両で、改造に際しては盛岡から転属している。キハ110形についても、小牛田に転属していた車両(2013年まで小海線に在籍)が改造種車に選ばれている。車両は「天空にいちばん近い列車」がコンセプトとなっており、前面は空をイメージした青色に塗装されている。側面はキャンバスをイメージし、銀色を基調に沿線の山々や高原、星空が描かれたものとなっている。両車両は常時2両連結とされたことから、連結部側の運転台は使用停止措置がなされた。そのため両運転台車両ではあるが片運転台車両と同じ扱いとなり、キハ100形はキハ103-711に、キハ110形はキハ112-711にそれぞれ改番されている。このうち「キハ103形」という形式は従来にない車両形式となっている。車内はそれぞれ異なっており、小淵沢方のキハ112形は片側に窓向きのペアシート、反対側に角度をつけた1人掛けのクロスシートが展開し、連結面側にボックスシート、小淵沢方前面に物販カウンターが設けられた。小諸方のキハ103形はリクライニングシートが展開し、車端部にドーム型屋根が特徴の「ギャラリーHIGH RAIL」、連結面側にサニタリースペースが設置されている。いずれも床や窓下は木目調、窓回りはキャンバス風の意匠となっている他、座席モケットや天井に設置された照明は星空をイメージしたものとなっている。キハ103形の「ギャラリーHIGH RAIL」には円形状の書棚が設けられ、半球形ドームには星空の映像が投影され、簡易プラネタリウムの様相となっている。「HIGH RAIL 1375」は信州デスティネーションキャンペーンの開催にあわせ、2017年7月より営業運転を開始した。快速「HIGH RAIL」として小海線全線を1.5往復(冬季は1往復)する運用が組まれる。特に夜間の「HIGH RAIL 星空」では、野辺山駅での長時間停車にあわせ星空観察が行われる。
2018,01,27 野辺山 |