DBR600形
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 2000年登場。列車本数の多い札幌周辺での除雪作業を線路閉鎖せずに行えるよう、既に投入されていた機械扱いのモーターカーHTR-600をベースに列車無線や各種保安装置を取り付け、「鉄道車両」として扱えるようにした車両がDBR600形であり、HTR-600と同じ日本除雪機製作所で製造された。形式は動輪2軸のラッセル・ロータリーヘッド付きディーゼル機関車であることに由来し、600は機関出力からとられている。除雪装置は片側にラッセルヘッド、反対側にロータリーヘッドを備えるが、他の除雪用モーターカーと同じく着脱は容易に行える。前述のとおりモーターカーをベースとしているため駆動系はモーターカーと同様であり、油圧モーターを動力に使用する。連結器には自動連結器が備えられているが、保線用トロッコの連結を考慮しバッファーも備える。前述のとおり、保安装置としてATS-SNや列車無線、EB装置などが設置されており、機械扱いのHTR-600は最高速度が45km/hに制限されているが、こちらは鉄道車両として使用される際は55km/hでの走行が可能である。一方機械扱いとして使用することも可能で、そのため軌道回路の短絡・不短絡を切り替えることができる。DBR600形は2000年中に2両が導入されて、いずれも苗穂運転所に所属し、冬季における除雪の他、それ以外の時期は除雪装置を外し通常のモーターカーと同様に使用された。油圧モーターを動力に使用する機関車はJRでは唯一の存在であったが、2014年には鉄道車両としての装備が外されており、同年7月に除籍扱いとなり形式消滅となった。ただし2両ともHTR-600に編入されており、現在でも苗穂運転所周辺で使用されている。

 2014,03,08 白 石〜苗 穂