731系
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 1996年登場。老朽化の進んできた711系初期車両の置き換えと、ラッシュ時における輸送力増強・スピードアップを目的に製造された車両である。併せて札幌圏のラッシュ輸送改善を目的に、小樽以西からの気動車による直通列車との協調運転が計画され、その目的で製造されるキハ201系気動車とは、基本仕様を極力共通の設計として開発されている。全長20mの軽量ステンレス製車両で、片開き扉を片側に3か所配している。車体は車体傾斜装置を搭載するキハ201系にあわせられており、腰部に膨らみをもたせ、上部に向けやや窄まった形状となっている。側面にはJR北海道のコーポレートカラーである萌黄色、前面と側面にはキハ201系との識別もあり、赤い帯が配されている。正面は前面貫通型で、衝撃吸収構造を採用した他、増解結を行う際の時間短縮を図り自動幌が搭載された。制御方式は、交流電車としては初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用された。本形式は1M2Tの3両で1編成を組むが、主電動機性能の向上もあり起動加速度は2M1Tの721系に準じ、最高速度は130km/hとなっている。制動は回生ブレーキを併用した電気指令式空気ブレーキとなったため、屋根上に抵抗器を搭載していない。本系列独自の特徴は、キハ201系との協調運転機構が備えられている点である。キハ201系とは基本的な制動方式も同一であり、力行から制動まで総括制御が可能となっている。なお、キハ201系の他721系との併結も可能である。台車はボルスタレス台車で、車輪径を短くすることにより低床化及び段差低減に寄与している。車内はオールロングシートとなっており、扉付近の座席は折り畳み座席となっている。本形式ではJR北海道の電車として初めてデッキが廃されているが、外気の侵入を防ぐため、エアーカーテンが備えられている。扉鴨居部にはJR北海道の普通列車用車両で初めてLED式の車内案内装置が取り付けられ、ドアチャイムや自動放送装置も備えている。旭川方先頭車(クハ731形100番台)の車端部にはトイレを備えるが、大半の車両は和式トイレとなっている。731系は1996年12月より営業運転を開始し、1997年のダイヤ改正よりキハ201系との併結運転を開始した。従来の北海道の車両にとらわれない1999年までに3連19本が増備され、しばらくはその陣容だったが、2006年に更に2本が導入され、3連21本となっている。この増備車はトイレが車いす対応の洋式トイレとなり、側扉の位置が変わるなどマイナーチェンジがなされている。現在も721系や後継の733系、735系と共に使用されているが、キハ201系との協調運転機構は本形式のみの装備であることから、一部の運用は本形式に限定されている。大半の車両が製造から20年経っていることもあり、2016年より機器更新が開始されており、併せて自動幌の撤去がなされている。

 2014,03,08 札 幌


2020/05/10