6000系
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 1995年登場。JR四国は国鉄及び国鉄清算事業団から引き継いだ111系をリニューアルの上で電化路線に使用していたが老朽化は進んでおり、置き換えは急務となっていた。その111系を置き換える目的で製造された近郊型車両が6000系である。車体の形状は当時「快速マリンライナー」として予讃線を走行していた213系に準じたものとなり、20m級の軽量ステンレス製車両となっている。前面はFRP製で前述のとおり213系に準じたデザインとなっており、助手席側の窓がやや拡大されている。帯色はJR四国のコーポレートカラーであるスカイブルーに加え白と赤の三色のラインが配されており、この形式独自のものとなっている。側扉は片側3扉で、大半は両開き扉が採用されているが、先頭車の乗務員室後部のみ片開き扉が採用されている。編成は高松方の先頭車を制御電動車とする1M2Tの車両構成となっているが、台車や集電装置は7000系と互換性のあるものが採用されており、それぞれボルスタレス台車、菱形パンタグラフとなっている。また、これにより箕浦以西の狭小トンネル区間にも入線可能となっている。制御方式はこのデザインを採用している車両としては唯一GTO-VVVFインバーター制御方式が採用された。メーカーは東芝製で、8000系のうち同社製の制御装置とほぼ同一のものを採用している。なお、8000系には回生制動は搭載されていないが、こちらは普通列車に用いるため、回生制動付き電気指令式ブレーキが採用されており、電気連結器を装備することから7000系との併用が可能となっている。このように、6000系は他形式との共用化及びそれに伴うコスト低減、車両運用の広範化が図られた車両であるといえる。瀬戸大橋線での運用も考慮されたことから車内は大半が転換クロスシートとなっており、車端部は同形状のボックスシートとなる等、アコモデーションは213系に準じている。JR四国が製造した車両では初めてとなる転換クロスシート車であり、更にJR四国の近郊型車両としては初めて車内LED・ドアチャイムが設けられたが、これはJR東日本の209系で採用されたものと同型のものが搭載され、チャイムの音色や動作方法も全く同一である。なお、中間車には2両編成しか停まれない駅及び無人駅での乗降扱い等に考慮して扉開閉スイッチなどがある車掌台が設けられており、同車の特徴の一つとなっている。6000系は3連2本が製造され、同数の111系を置き換えたものの、その後の111系の置き換えはJR東日本から譲渡された113系のリニューアル車によって賄われることとなり、以後は増備されずに現在に至っている。現在の6000系は基本的には高松〜琴平・観音寺間を中心に使用されており、予讃線では伊予西条まで定期的に乗り入れる。当初運用のあった岡山〜宇多津間の所謂瀬戸大橋線では2000年以降運用に就いていなかったが、2016年のダイヤ改正で同線での運用が復活し、再び岡山でもその姿が見られるようになっている。しかし2019年のダイヤ改正でこの系統が廃止されたことから、以降の運用は予讃線・土讃線のみとなっている。

 2015,05,03 高 松


2019/08/31