キハ48形うみねこ
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 2002年の東北新幹線八戸延伸に併せ、八戸線の観光振興を図る目的でキハ48形2両(キハ48-555、キハ48-1549)に改造を施したものである。愛称のうみねこは、国の天然記念物に指定されている蕪島など、ウミネコの繁殖地が八戸線の沿線にあり、同線に馴染み深いことからつけられている。外装は赤と青を基調に、黄色と白のストライプを配した派手ないで立ちとなり、側面下部には「うみねこ」のロゴマークが配されていた。連結面には転落防止用幌が新設される等されているが、他のジョイフルトレインや観光列車に比べて、車体の原型を色濃く残している点が特徴である。また、本車はキハ48形の中でも機関未換装の2両が種車となっているが、「うみねこ」への改造時にも機関換装は行われず、原型の機関をそのまま搭載していた。車内は全てバケットタイプの回転式リクライニングシートに変更されている。座席モケットは紫を基調としたもので、背面テーブルは搭載しない代わりにインアームテーブルを備えていた。また、キハ48-1549の後部デッキ付近は座席が撤去され、多目的スペースという扱いとなっているが、この部分には吊り革が設けられており、立ち席スペースとしても活用されている。また、キハ48-555に設置されていたトイレは洋式トイレに改造されている。なお、元々非冷房で、冷房装置は最後まで搭載されていなかった。本車は2002年12月のダイヤ改正から運転を開始し、八戸線の一部の普通列車に充当された。運用時はヘッドマークを掲出していたが、普通列車として充当されたため、基本的には全ての車両が乗車券のみで乗ることができた。その後2011年に「き・ら・き・らみちのく」から改造された「リゾートうみねこ」の運転が八戸線で開始されると本車は「うみねこ」と称さなくなり、「リクライニング車」と呼称されることが多くなった。更に同年の検査でロゴマークも撤去されている。2011年以降は八戸線の定期運用からは外れ、大湊線の臨時快速を中心に、北東北の各線で臨時列車を中心に運用された。2016年に運用を離脱し、青森総合車両センターでの留置を経て2017年に廃車されている。

 2014,05,03 野辺地


2025/09/07