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リゾートしらかみ「くまげら」編成は、五能線を経由する観光快速「リゾートしらかみ」の更なる増発、安定運転化を目的に2006年に導入された。「くまげら」の愛称は公募で決まり、沿線に生息する国の天然記念物であるクマゲラに由来している。運転台部分は新造されており、車体デザインは先に導入されていた「ブナ」編成に準じているが、当編成の外装は日本海の夕日をイメージしたオレンジのグラデーション基調の外装となり、他の編成とは趣が異なっている。なお、前照灯周辺はクマゲラの頭頂部をイメージして赤色に着色されている。当初は3連を組んでおり、両先頭車はキハ40形500番台からの改造車(片運転台化のうえキハ48形に編入)、中間車は元々同じリゾートしらかみの「青池」編成から捻出された車両で構成されていた。車内は両先頭車が1200oピッチのリクライニングシート、中間車が「青池」編成時代と同様簡易個室となっている。外装とイメージをあわせるため、座席モケットは赤系で統一されている。なお、先頭車の前頭部は展望スペースとなっており、催事は基本的にこのスペースを使って行われる。サニタリースペースは両先頭車に集約されて、特に青森方先頭車(キハ48-703)は車椅子対応となっている。この「くまげら」編成は2006年3月のダイヤ改正で営業運転を開始した。前述のとおり、当初は3連を組んでいたが、2010年12月のダイヤ改正における「青池」編成の車種変更に際し「リゾートしらかみ」全車を4連化することとなったため、キハ48形1両を追加改造のうえ組み込むことになり、以降は4連化されている。この時連結された車両は先頭車と同様のリクライニングシートとなったが、運転台は原型を留めているため展望スペースは設けられていない。その代替でフリースペースが別途設けられている。「青池」編成及び「ブナ」編成がHB-E300系に変更された今、唯一キハ48形による「リゾートしらかみ」となった他、2021年3月には一般運用に従事するキハ40系列がJR東日本では全廃となったことから、運行可能なキハ40系列の一つとして希少な存在となっている。
2013,09,15 深 浦 |