キハ48形花嫁のれん
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 北陸新幹線金沢延伸後に開催された北陸デスティネーションキャンペーンにあわせ、新幹線に接続してIRいしかわ鉄道から七尾線に直通する観光特急を運行することとなり、同列車に充当するためキハ48形を改造した車両がこの「花嫁のれん」である。元々キハ48形はJR西日本では5両のみの陣容であり、このうち新山口に在籍していた2両が改造種車となっている。なお、特急用車両として大掛かりに改造されているが、車番は種車のものを引き継いでいる。列車名となった「花嫁のれん」は石川県を中心とした伝統的な嫁入り道具、及びそれに因んだ風習であり、伝統文化の要素を取り入れ、乗客に「幸」を感じてもらう、ことが列車名の由来となっている。車両のコンセプトは「和と美のおもてなし」となっており、外装は輪島塗を彷彿とさせる窓回りを黒、外周を朱色に塗装され、色の境目は金色のラインが配された。また、前面・側面共に花や蝶があしらわれた模様が描かれている。なお、前位側の側扉と貫通扉は埋められており、前照灯も既存のものが撤去され、行き先表示器が設置されていた部分にLED灯を新設した。因みに尾灯は新山口在籍時にクリアテールに換装されている。車内は1両ずつ趣が異なり、和倉温泉方のキハ48-1004では2〜4人用の半個室と物販スペースで構成されている。個室部分は通常の座席番号ではなく旅館にみられる「間」の名前がつけられ、壁面にはそれぞれ異なる模様があしらわれている。また、通路は日本庭園の飛び石をイメージした絨毯が敷かれている。物販スペースには伝統工芸品を展示するショーケースが設けられたほか、客室との境目の壁面に鉄道車両では珍しく金沢金箔による装飾がなされている。金沢方のキハ48-4は2人掛け・4人掛けのテーブル席と窓側を向いた1人掛け席で構成され、車両中央部にはイベントスペース・オーディオ機器類、車端部にはサニタリーコーナーが設置された。客室の通路には流水をイメージした絨毯が敷かれている。なお、2両とも座席のリクライニングは行えない。特急「花嫁のれん」は2015年10月に営業運転を開始した。休日を中心に金沢〜和倉温泉間を1日2往復するダイヤが設定され、七尾駅でのと鉄道の「のと里山里海号」に接続するようになっている。同列車では和倉温泉の旅館「加賀屋」のアテンダントが車掌と別に乗務しサービスを提供する他、事前予約で「加賀屋」が監修した食事・スイーツが供される。

 2016,07,09 金 沢