キハ47形瀬戸内マリンビュー
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 「瀬戸内マリンビュー」は、JR西日本が2005年より広島〜三原間を呉線経由で運行する観光列車である。同列車の走行区間はすべて電化されているが、車両は2003年の可部線部分廃止以降余剰気味となっていたキハ47形2両が種車として選ばれた。2両で1編成を組み、いずれも種車はロングシート拡大化がなされていた車両となっているが、改造に際しては改番されており、広島方がキハ47-7001、三原方がキハ47-7002となった。JR西日本では同車以降キハ40系列改造の観光列車が多数登場しているが、本車両はその嚆矢ともいえる存在である。造船の街呉を経由し、瀬戸内海沿いを走る呉線向けの観光車両に因み、クルーザーをイメージした外観・内装となった。前面の貫通扉と前位側の側扉は埋められており、前面方向幕も撤去されている。塗装は青と白を基調に金色の帯が巻かれたものとなり、窓枠も金色に塗装されている。一部の側窓は船の窓をイメージした丸窓になっている他、前面にはオールと浮き輪が飾りとして取り付けられた。編成のうちキハ47-7001は指定席となり、内装は大幅に改造された。海側は4人掛けのボックスシート、山側はソファシートがL字状に配置され、それぞれ大型のテーブルが配置された。車端部はフリースペースと車販準備スペースが設置され、フリースペースは山側がソファシート、海側が1人掛けの丸テーブルとなっている。いずれも、指定席の座席は全て革張りとなっている。キハ47-7002は自由席となり、ロングシート主体のクロスシートと比較的種車の内装を留めるが、連結面側の車端部はカウンターテーブルと丸椅子が設置され、一部側窓は丸窓化、妻部・運転台背後にはオブジェとしてオールと浮き輪、羅針盤が取り付けられ、天井には扇風機と別にシーリングファンが取り付けられるなど、こちらも随所に船を意識した内装となっている。なお、トイレはこちらの車両にのみ設置されている。「瀬戸内マリンビュー」は、停車駅の変遷こそあるが、基本的には広島〜三原間を休日を中心に1日1往復するダイヤが組まれている。2012年には「清盛マリンビュー」として宮島口まで延長運転されていた。なお、後年下関所属の他の車両と同様にテールライトのクリアテール化が行われている。「瀬戸内マリンビュー」としての運行は2019年で終了したが、本車はその後改造が施され、2020年10月の「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」にあわせて新たに観光列車「etSETOra」として再起することになった。なお、「etSETOra」ではグリーン車に格上げされており、形式がキロ47形に改められている。

 2017,10,21 下関総合車両所


2021/11/24