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キハ47形「あめつち」は、2018年の「山陰デスティネーションキャンペーン」にあわせて導入された観光列車で、キハ47形2両を種車に改造が施されている。名前は古事記の冒頭部に由来し、神話の多い山陰地方を運行することから「ネイティブ・ジャパニーズ」というコンセプトが取り入れられている。本車の総合ディレクターは島根県出身の錦織良成氏が担当し、車内の色彩を同じく島根県出身のアニメーター吉田昇氏が手掛けている。外装は「山陰の美しい空や海」を表現した「紺碧色」を基調とし、下部に「山並み」と「たたら製鉄に因んだ日本刀の刃文」を表した銀色の帯模様があしらわれている。前面の行き先表示器は埋められており、同所と貫通扉部分には専用のエンブレムが取り付けられている。側扉は前位側が埋められ、各車とも1か所のみとなった。車内は2人掛けのボックスシートと海側を向いたカウンターテーブルを中心とし、海側中間部に4人掛けボックスシートを設けたものとなっている。車端部は物販カウンターやサニタリースペースが設けられている。サニタリースペースは既存のものではなく新調されており、トイレの他、独立した洗面所が設けられた。全体的に木目調パネルを多用する等和を押し出した内装となっており、因州和紙を用いた照明カバー、テーブルの石州瓦、岩井窯を用いた洗面台、更には智頭杉、隠岐の黒松も装飾として用いられるなど、随所に山陰地方の名産品や工芸品が装飾や展示品として盛り込まれている。なお、本車はグリーン車扱いとなるため、車両形式は「キロ47形」と改められている。「あめつち」は2018年7月から営業運転を開始した。当初の運転区間は基本的に鳥取〜出雲市間のみであったが、2024年からは「奥出雲おろち号」に代わり木次線宍道〜出雲横田間(車両性能の都合で備後落合方面までは乗り入れない)での運行が開始された他、同年には更に城崎温泉〜鳥取間でも新たに運行されるようになる等、範囲が広がりつつある。
2024,02,25 出雲市 |