キハ40系ふるさと
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 1995年にお座敷気動車「漫遊」として改造され水郡線営業所に配置されていたキハ40形1両、キハ48形2両が、2000年に小牛田運輸区に転属した際に改称されたものである。「漫遊」は水戸支社が導入した和式気動車で、キハ40系列では初のジョイフルトレインである。愛称は「水戸黄門漫遊記」からとられており、それぞれの車両は更に愛称として1号車は「華」、2号車は「風」、3号車は「月」という名前が付けられている。「華」は緑色、「風」は紫色、「月」は赤色と異なる3両とも異なる色となっているが、腰部についてはいずれも「錦絵」をイメージし金色に塗装されている。塗装こそ大きく変わっているが、外装面では後に改造されるキハ40系列のジョイフルトレインと比べれば原型を留めており、改造に際し機関換装等は行われていない。ただしグリーン車扱いとされたことから車番は変更されており、キハ40系列では初のグリーン車となっている。車内は全面的に畳敷きとなっており、下足歩行用通路は設けられていない。このため、各車入り口付近に下足入れが設けられている。畳敷きに座椅子とテーブル(着脱可能)が配置されるというお座敷車両としてはよく見る内装だが、妻部壁面と座卓は車両によって色・造りが異なっている。各車両とも液晶モニターやカラオケ付きAV装置を備え、臨時運用だけでなく団体運用にも備えた。「漫遊」から「ふるさと」への名称変更にあたっては、ロゴマークの変更程度で大きな変化はなく、号車愛称をはじめ内外装ともほとんどそのままであった。「ふるさと」への改称当時は引き続きグリーン車扱いであったが、2003年に普通車へと格下げされ、この際に2500番台の車号に統一された。以降は臨時列車に充当される際は指定席券の追加購入のみで乗車できるようになっている。「ふるさと」への改称時には既にお座敷車両は数少なくなっていたこともあり長らく東北地方の各線で使用され、特に平泉での藤原まつり期間に運転される「お座敷 藤原まつり」では、全線電化区間ながら毎年充当されていた。古巣である水郡線をはじめ関東地区にも乗り入れるなど幅広く活躍したが、老朽化から2016年8月を以て運用を離脱することとなり、後に廃車されている。

 2016,05,05 平 泉


■Variation
 2号車の「風」は紫と金色のツートンカラーとなっている。なお、「漫遊」は落成当初はキハ48形のみの2両であり、キハ40形の落成はやや遅れている。基本的には中間に連結されていることが多かったが、2連での使用時など同車が先頭に立つ機会がまったくなかったわけではない。

 2016,05,05 平 泉
 3号車「月」は赤色と金色のツートンカラーとなっている。「ふるさと」では唯一のキハ40形であった。

 2016,05,05 平 泉