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1995年登場。当時のJR東海では、165系を用いた昼行急行及び東京〜大垣間の定期夜行列車を各線に走らせていた。しかし165系は老朽化が進んでおり、また急行列車に至っては追加料金を払う車両としては見劣りする存在となっていた。そこでこれら165系を置き換え、更に該当急行は特急格上げを行う事を目的に新しい特急型車両を投入する事とした。このような背景で製造された車両が373系である。車体は軽量ステンレス製で、窓を大型化しその周囲を黒く塗装、更におれんじと白のラインを配する等、基本的にはキハ85系に準じたデザインが採用されている。前面は普通鋼製で白く塗装されており、パノラミックウィンドウを採用した大型窓はかつての165系をも彷彿とさせる。また165系時代同様分割併合を前提とした事から貫通扉が備えられており、その中央に愛称表示器が付けられている。制御装置にはJR東海の在来線車両として初めてGTO-VVVFインバーター制御方式が用いられ、回生制動を備える他山岳線区での使用を考慮し、抑速ブレーキや発電ブレーキも備えている。編成はMc-M-Tcの3連を組んでおり、いずれもモノクラスでグリーン車は備えられていない。また、乗降の便を図る為に特急型車両としては珍しく側扉が両開きとなっており、またデッキ部と客室の間を仕切る扉が設けられていない。客室はリクライニングシートが970mmピッチで展開しており、後述の車端部を除きフットレストも備えている。また、洗面所・トイレのない車端部はボックスシートが設けられており、特急運用時は「コンパートメントカー」という位置づけとなる。尚、デッキとの仕切り上部には車内案内表示器が設けられている他(普通列車運用時も稼働)、特急運用時には自動放送も行う。373系は1995年10月のダイヤ改正でまず身延線の特急「ふじかわ」として営業運転を開始、次いで1996年3月より東海道線特急「東海」、飯田線特急「伊那路」、更には夜行快速「ムーンライトながら」として営業運転を始め、該当列車に充当されていた165系を全て置き換えた。3連14本という陣容に比して、一時期は予備車が足りないほど運用が多かった373系だが、近年は「東海」及び定期「ムーンライトながら」の廃止に伴う東京乗り入れからの撤退等があり、運用に余裕が生じている。ただし東海道線内ではホームライナーや一部普通列車にも用いられており、急行のみならず普通列車にも使用されていた165系と同様、広範な運用に投入されている。
2012,12,05 静 岡 |