323系
トップページ鉄道写真図鑑JR通勤・近郊・一般型電車>323系
 2016年登場。『大阪環状線改造プロジェクト』に基づき、それまで大阪環状線で用いられてきた103系・201系を置き換える目的で導入された通勤型車両である。従来の大阪環状線では環状線・桜島線の運用に就く4扉車と他線区から直通する3扉車が混用されていたが、2014年2月に大阪環状線・桜島線のラッシュ時全列車を3扉車で運用する試みを経て、新造する通勤型車両も20m3扉車で製造することとなった。車体は225系2次車や227系等と同様のデザインとなっており、扉及び窓配置も同車に倣っている。前面デザインも225系2次車や227系に準じるが、こちらは前照灯・フォグランプが全てLEDになった。なお、本系列は全て8両編成で、増解結は考慮されないことから、電気連結器や前頭部への転落防止用幌は搭載しない。行き先・種別表示は227系に続き全てフルカラーとなり、大阪環状線と桜島線直通で分けられるほか、季節ごとに独自のアイコンを表示する機能も備えている。外装はアーバンネットワーク及び大阪環状線を表す濃淡ブラウンの帯とオレンジバーミリオンの帯がそれぞれ配された他、将来のホームドア設置にも考慮し、戸袋付近にもオレンジバーミリオンが配色されている(終日女性専用となる車両のみ、この部分がピンク色に区別されている)。制御方式はフルSiC素子を用いたVVVFインバーター制御方式で、従来に比べて高効率化を実現した。本形式も近年のJR西日本の車両と同じく0.5Mシステムを採用しているが、この機構では制御装置が主回路の他従来のIGBTを採用しているSIVと一体化した構造となるため、制御装置そのものの寸法、構成は概ね225系に準拠している。主電動機は全閉式のかご型三相誘導電動機が採用され、静粛性の向上のほか、メンテナンスフリーが図られている。車両情報装置は大容量イーサネット伝送を用いたデジタル伝送装置が採用され、併せて運転台はグラスコクピットとなっている。車内は103系等と同じくオールロングシートで、普通座席のモケットは緑色となっている。座席の幅は470oに拡大し、座面高さは450oに統一された。また、優先席には各座席ごとに前方に傾斜した肘掛けが設置され、立ち上がりやすさに配慮がなされている。最も混雑が想定される8号車は扉間が8人掛けとされ、乗降扉付近の立ち席スペースを拡大して乗降の効率化が図られている。車内照明はLED灯となり、特に女性専用車両は電球色とすることで他車との差別化が図られている。車内案内表示器は17インチサイズのものが2基、それぞれ扉鴨居部と妻面に搭載されており、4か国語表記や駅構内案内等にも対応した。また、インターネット接続ニーズに応えるべく、新造当初よりFree Wi-Fiが導入された。323系は2016年12月に営業運転を開始した。以降2019年までに8連22本が製造され、森ノ宮電車区に所属していた103系と201系を全て置き換え、併せて大阪環状線・桜島線を走行する車両のオール3扉化が実現している。大阪環状線・桜島線の新たな顔として活躍が続く。

 2016,12,31 鶴 橋


2021/01/16