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2005年登場。老朽化した103系の置き換え用に製造された、207系の後継となる通勤型車両である。207系をベースとしているが、車体断面はそれを発展させて近郊型車両にも流用可能な設計となっている。また随所の部品・機器類を共通化することで製造コストの低減が実現しているが、同時に従来車と比べて車体強度も向上している。制御方式にはIGBT-VVVFインバーター制御方式を採用し、207系に比べて走行時の音が低減されている。また321系は同一の電動車に動力台車と付随台車を組み合わせている、所謂「0.5M0.5T」を採用している点が特徴であり、付随車1両を組み込んだ7両編成を組成した場合は実質3M4Tとなるが、これにより台車単位で力行・制動を制御できるようになっている。車内はロングシートであるが、着席時のゆとりを目指して座席定員の減少と一人当たりの幅を増加させ、更にバケットシートが採用されている。また袖仕切の形状なども変更されている他、扉鴨居部のLED案内表示器を廃止する代わりに、座席と直角方向に液晶の案内表示器が1車両に12面設けられたことが大きな変更点となっている。液晶式車内案内表示器はJR西日本では初採用であり、後に225系でも採用される事となる。2007年までに7連39本が製造されており、当初は京阪神緩行線・宝塚線で限定使用されたが、2008年に回生ブレーキの増強・パンタグラフの増設がなされ、以降はJR東西線・学研都市線でも使用されるようになり現在は207系と同一範囲にて使用されている。尚、本形式の登場によって京阪神緩行線から201系・205系が撤退している(ただし205系は2011年に一時的に復活した)。因みに当初は学研都市線では松井山手までの乗り入れであったが、同志社前以西のホームが7連対応に延伸した後は学研都市線の全線・大和路線の木津〜奈良間でも運用されている。
2008,03,06 山 崎 |