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2015年の北陸新幹線開業により、それまで特急「はくたか」に使用されていた681系が余剰となり、それまで683系2000番台が充当されていた「しらさぎ」に転用された。その影響で余剰となった683系2000番台は、老朽化が進んでいた381系の置き換えを目的に紀勢本線系統及び北近畿地区の特急へとコンバートされることになったが、直流電化区間のみの走行となるため、交流機器については使用停止の措置がなされた。JR西日本ではこの手の改造を受けた車両を形式変更する例があり(485系→183系)、本車もその例に漏れず形式を289系と改めることになった。元々「しらさぎ」用の683系2000番台は基本編成5両、付属編成3両で組成されていたが、将来の転用を当初より見越した設計となっており、転用に際しては、京都(「くろしお」用に転じた本系列は日根野ではなく京都に配属となった)に転じた基本編成が6連、福知山区に転じた基本編成が4連へとそれぞれ組み替えられた。編成の向きは287系に合わせるように方向転換されている。外装は既に投入されていた287系に併せる形で、日根野区転入車が窓下にオーシャングリーンの帯を、福知山区転入車が窓下に臙脂の帯を配しているが、それ以外は種車の面影を色濃く残している。内装も種車のものをそのまま引き継いでいたが、グリーン車は元々全室グリーン車であったところ2016年以降半室について普通車への格下げが行われ、グリーン・普通合造車となった。289年は2015年10月から営業運転を開始し、日根野・福知山の381系を一掃した。当初交流機器は使用停止措置のみ取られていたが、2016年以降交流機器そのものの撤去が進み、完全なる直流専用車両となった。なお、3連2本のみ使用停止措置のまま存置した編成がおり、その編成は「サンダーバード」用車両不足の解消を目的に2019年に683系に復元されている。現在は79両の陣容で、「くろしお」「こうのとり」「きのさき」の他、京都所属車は通勤特急「らくラクはりま」にも充当されている。一時期は「はしだて」にも使用されていた。なお、同じ列車に使用されている287系とは構造の違いから連結できず、同系とは運用が分かれている。
2024,05,31 新大阪 |